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[MOM2487]桐生一FW若月大和(2年)_初先発で初勝利の立役者に…40mドリブル弾含む4得点を演出

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全4得点に絡んだ桐生一FW若月大和(2年)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[4.29 プリンスリーグ関東第4節 三菱養和ユース2-4桐生一高 養和巣鴨G]

 受けてよし、抜いてよし、撃ってよし。小さな身体でオールラウンドな個性を体現した。プリンスリーグ関東での初勝利を挙げた桐生一高を牽引していたのは、最前線の位置で起用されたFW若月大和(2年)。序盤に2点を奪われる苦しい展開の中、1ゴール2アシスト“1起点”の大活躍で戦況を一変させてみせた。

 前半10分までに、三菱養和FW栗原イブラヒムジュニア(2年)のヘッドで2失点を喫した桐生一。「立ち上がりは悪かったけど、誰一人あわてず、最初の2点だけで抑えてくれた」(若月)。そんな逆境を押し返すエネルギーを放っていたのは、この日が初スタメンとなった2年生FWだった。

 最初の見せ場は前半15分、細かいパスをつなぐ軽快な崩しから、左サイドを抜け出す。「ゴールまで行こうと思ったけど、まずは1点が必要だと思った」とクロスを送り、MF松下駿也(3年)のゴールをお膳立て。同30分にも同じような形から突破を見せ、MF須藤礼智(2年)のシュートを呼び込み、2つのアシストで試合を振り出しに戻した。

 さらに後半14分、圧巻のプレーが飛び出す。ハーフライン付近で縦パスを受け、鋭いターンからドリブルを開始。スピードに乗ってPA右に走り抜け、相手から逃げながら右足を振り抜くと、コントロールされたボールがゴール左隅に突き刺さった。

「前を向いた時点で行けると思った。あそこの位置からドリブルでしかけるのはよくあること。相手が2枚くらいならスピードを生かせば抜ける」(若月)。チームの3得点目は、プリンス初勝利をたぐり寄せる決勝弾。鋭い動き出しで受け、的確なボールタッチで抜き、自らの間合いに持ち込んで撃つという、オールラウンドな個性が凝縮されたゴールだった。

 後半42分には、カウンターから右サイドに展開し、ダメ押しゴールの起点となり、全4得点に絡む結果をおさめた。だが、本人の印象は満足ばかりではなかった。「点にも絡めて、今日はよかったと思う。でも、もう少し自分で決められるところもあったはず」と振り返れば、「しっかりスタメンを勝ち取れるようになりたい」と安定した活躍を見せていく構えだ。

 地元の名門前橋ジュニアユースから、桐生一に進学。兄の佑介さんが同校で全国選手権に出場した経験を持ち、「小さい時からよく見ていた」という縁があったという。次節はそんな県内の盟主的存在である前橋育英高との対戦。「ライバルなので負けられない。新人戦では勝っているので、ここでも一本も取らせない」と必勝を誓った。

(取材・文 竹内達也)
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