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「Be Pirates」。本格強化3年目の近江は滋賀から全国での大暴れ狙う

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近江高は司令塔のMF竹村俊二中心に全国8強目指す

「全国で暴れたい」。昨年、本格強化2年目の1、2年生軍団でインターハイに初出場した近江高(滋賀)が、今年は全国ベスト8という目標を掲げて強化を進めている。

 元清水の前田高孝監督率いるチームの新たな合言葉は「Be Pirates」(海賊になる)。滋賀県の湖北地方から現れた“異端児”的な存在は、日本一経験を持つ野洲高や草津東高、綾羽高といった強豪が中心だった滋賀の勢力図を変えようとしている。

 昨年のインターハイ予選で近江は野洲、草津東、綾羽を接戦の末に破って初優勝。選手権予選でも決勝進出を果たし、全国へあと一歩にまで迫った。今年は強化3年目で初めて1年から3年生までの部員が揃い、「組織として土台作りの年」(前田監督)。司令塔のMF竹村俊二やFW槙山佳佑主将、関西屈指の守護神・土屋ヒロユキ山内舟征長ヶ原陸矢のCBコンビら個性的な選手たちも擁するチームは今年、滋賀県1部リーグで強さを発揮し、開幕から8勝1分の快進撃を見せている。滋賀県3部リーグから2年で1部リーグまで上がってきた新鋭は、強化3年でのプリンスリーグ関西昇格の“快挙”も十分に現実味のある状況だ。

 前田監督が自分たちのチームを“海賊”と例えるのは、滋賀県の歴史ある公立の強豪校や他の私立の新鋭校に対し、「常にアウトローの立場でいたい」という理由から。そのために「公式戦は勝ち続けなければいけない。(海賊のように)仲間を大事に。正義ではない。でも、泥臭くいきたい」と語る。滋賀は日本最大の琵琶湖を有している“湖国”。海に面していないが、そこから“全国という海に出て暴れたい”という強い思いがある。

 現在のチームの目標はインターハイ出場だ。平成30年度全国高校総体「2018彩る感動 東海総体」サッカー競技(三重)への出場権を懸けた滋賀県予選が13日に開幕。近江は19日に彦根工高と対戦する初戦から連覇へ向けた戦いをスタートする。

 後半終了間際の失点で敗れた昨年度の選手権決勝は「3年生の意地に負けてしまった」(竹村)。その悔しさを忘れず、課題だった全員守備からの全員攻撃、シュートまで行く形の向上にこだわってトレーニングしてきた。

 竹村は「自分の良さは後ろでもミスなく、ビルドアップとか繋げたりそこから前に繋げたり、最後は得点やアシストできること。しっかりチームの10番として責任をもって、全国ベスト8という目標にしっかり貢献できる10番になりたい」。そして、「僕たち最後のインターハイ、選手権なので歴史を作りたい。僕たちの目標は全国ベスト8なので、県内では圧倒できるチームにならないといけない」。昨年は全国初戦敗退。今年は全国で近江の名を知らしめる。

}(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2018

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