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ユース取材ライター陣たちが推薦する総体予選注目の11傑vol.4

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土屋氏が推薦するFW佐々木大貴(帝京高3年)

特集企画「ユース取材ライター陣が推薦する『全国高校総体予選注目の11傑』」

 ゲキサカでは熱戦展開中の平成30年度全国高校総体「2018彩る感動 東海総体」サッカー競技(三重)都道府県予選の注目選手を大特集。「総体予選注目の11傑」と題し、ユース年代を主に取材するライター陣に総体予選注目の11選手を紹介してもらいます。第4回は(株)ジェイ・スポーツで『デイリーサッカーニュース Foot!』を担当する傍ら、東京都中心にユース年代のチーム、選手を取材、そしてゲキサカコラム『SEVENDAYS FOOTBALLDAY』も連載中の土屋雅史氏による11名です。

土屋雅史氏「今回も昨年同様にピンポイントですが、長年に渡って継続的に取材させていただき、『SEVENDAYS FOOTBALLDAY』でもメインテーマとして取り上げる回数の多い東京の総体予選二次トーナメントに臨む選手たちの中から、11傑を選出しました。今回の縛りは“1チーム1名”と“過去にご紹介したことのない選手”。関東大会予選で都立狛江高と駿台学園高が4強に名を連ねるなど、例年以上に混戦模様の予感が漂う今年の東京高校サッカー界。この11人の中から、真夏の三重で主役に躍り出る選手が登場してくれることを願っています」

以下、土屋氏が推薦する11名

GK猪田光哉(駿台学園高3年)
「関東大会予選で準優勝と躍進を遂げた駿台学園のゴールマウスに立つのは、笑顔がトレードマークの主将。『勢いだけというか、そういうのでやっているので(笑)』と自ら話すチームスタイルもあって、失点がかさむ試合もあるものの、ノッてくるとファインセーブを連発。また、利き足の左足は西川周作(浦和)を彷彿とさせる精度を誇り、パントキックだけでスタンドが沸くシーンも。『相手がどういう相手でも常に挑戦者ですから』という謙虚な姿勢も頼もしい」

DF照山颯人(成立学園高3年)
「柏レイソルの下部組織で育った長身センターバックは、既に定位置を掴んでいた昨シーズンから都内有数の高さを武器に、空中戦ではほぼ負け知らず。新指揮官に就いた五十嵐和也監督の下、少し変化したビルドアップの形にも対応するだけの足元の技術も、実戦経験の中で磨いてきた。夏冬共に全国から遠ざかりつつあるゼブラ軍団の命運は、このキャプテンの奮闘に懸かっている」

DF竹浪良威(國學院久我山高3年)
「右利きではあるものの、ブラジル代表のマルセロを敬愛する攻撃的左サイドバック。FC東京U-15むさし時代はセンターバックを務めるも、高校入学後にトライした今のポジションの重要性を深く知り、『チームを勝たせられるようなサイドバック』を目指している最中。また、サイズを感じさせないヘディングの強さも攻守両面で魅力的。新チームになってキャプテンにも就任し、清水恭孝監督も『今年はやってくれるんじゃないかなと思っています』と信頼を寄せる」

DF鈴木俊也(早稲田実高3年)
「早々にスタメンを勝ち獲った1年時から、プレースキッカーを任されるほどの高精度キックを備えるレフティは、ベースポジションをセンターバックに置きつつ、ゲーム展開によっては最前線でゴールを狙うストライカーに変貌。昨年度の選手権予選では、敗退に繋がるPK失敗を受けて号泣する姿が印象的だったが、キャプテンマークを巻く今シーズンはその経験を生かして、より成長した姿に期待したい」

MFユン・チス(東京朝鮮高3年)
チョン・ユギョンホン・リジンと2枚看板を擁する東京朝鮮高の中で、リ・チャンギ、ハ・ジュノンと共に『この3人がもっとやってくれないとチームは厳しい』と姜宗鎭監督が名指しで期待を口にする万能型アタッカー。特徴を問われ『一番はチャンスメイク。アシストだったり、ゴールだったり、得点に絡むプレーをしたいです』と答えた通り、2列目から果敢に飛び出してゴールに迫るプレーは必見」

MF大森博(修徳高1年)
「岩本慎二郎監督も『アレは有望だよ』と高評価を与えるルーキーは、180cmを超えるサイズと非凡な得点感覚を合わせ持つスーパーボランチ。他県の強豪校にも注目されていた中で、中等部から通っていた修徳を選択すると、既に入学前のリーグ戦でもスタメンに抜擢され、早々にフィット。「交替させたら『なんで替えるんだ』ぐらいの悔しそうな顔するんだよ」と指揮官も笑うメンタルの強さも大きな武器」

MF世継昭斗(東大和南高3年)
「都大会の上位進出常連校になりつつある“グリーンのサザンクロス”で、10番とキャプテンを託された不動のエース。選手権予選で都内4強まで駆け上がった1年時からAチームには絡んでいたものの、ポジションを掴んだのは昨年から。『自分の持ち味は左足のシュートだと思っています』という絶対的な武器を携えつつ、やや課題だった守備面にも間違いなく向上の跡が。一発を秘めるこのレフティは間違いなく他校の大きな脅威」

MF羽鳥陽祐(駒澤大高3年)
「センターバック、ボランチ、フォワードと、センターラインならどんな役割でピッチへ送り出されても、そのすべてを一定以上の水準でこなすなど、駒澤に欠かせない“ポリバレント”プレーヤー。ロングスローも含めたセットプレーに強みを持つ赤黒軍団においては、その高さも欠かせないポイントに。昨年はセンターバック起用が多かったものの、大野祥司監督はボランチに最も適性を見出している様子」

MF古宇田旭(関東一高3年)
「『本当に悔しかったですね』と振り返る昨年は、総体予選までサイドハーフでレギュラークラスの活躍を見せながら、全国総体は登録メンバー外に。以降もスタメン復帰の壁は高く、一時はサイドバックも経験したが、「最高学年として自分が率先して、『先頭でやりたいな』という想いはあります」という今シーズンは好調をキープし、ゴールに絡むプレーで攻撃陣を牽引。声を出せる“盛り上げ役”的なキャラクターも、チームにとっては貴重な存在」

MF山内稔之(実践学園高3年)
「昨シーズンは圧巻の“東京四冠”に加え、夏と冬の全国を2年生でただ1人のレギュラーとして経験したレフティは、今年の都内でも指折りのサイドアタッカー。縦への仕掛けとアーリークロスを巧みに使い分け、実践の攻撃を左サイドから繊細に組み立てる。関東大会予選の敗退とTリーグでのミスに責任を感じ、『去年から試合に出ている自分がああいうミスをしてしまったので、気合を入れて』坊主頭になる思い切りも。『自分が結果を出さないとチームが勝てない』という覚悟を持って、2年連続での全国出場へ挑む」

FW佐々木大貴(帝京高3年)
「カナリア軍団の10番を1年時から背負い続けてきた佐々木もいよいよ最終学年に。『相手のボランチとディフェンダーのギャップでもらうのが好き』と自ら語るように、1.5列目で前を向いた時のゴールに迫るアイデアと、それを実行するテクニックは間違いなく都内最高クラス。三浦颯太赤井裕貴と構成する“FC東京U-15むさしユニット”の攻撃力はチームの浮沈を握っている。また、『付けさせてもらっている感じで、背番号は気にならないです』と言い切る飄々としたキャラクターが、プレーとのギャップを際立たせて微笑ましい」

■執筆者紹介:
土屋雅史
「(株)ジェイ・スポーツに勤務。Jリーグ中継担当プロディーサーを経て、『デイリーサッカーニュース Foot!』を担当。群馬県立高崎高3年時にはインターハイで全国ベスト8に入り、大会優秀選手に選出。ゲキサカでコラム、『SEVENDAYS FOOTBALLDAY』を連載中。著書に「メッシはマラドーナを超えられるか」(亘崇詞氏との共著・中公新書ラクレ)。」
SEVENDAYS FOOTBALLDAY by 土屋雅史
●【特設】高校総体2018

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