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[関東大会]互いに徹底したロングボール攻勢…“パワフル”成徳深谷が古豪・古河一をねじ伏せる

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同点ゴールを喜ぶ成徳深谷高の選手たち

[6.2 関東大会1回戦 成徳深谷高3-1古河一高 前橋フットボールセンターA]

 第61回関東高校サッカー大会が2日、群馬県のコーエイ前橋フットボールセンターで開幕した。Aグループでは成徳深谷高(埼玉)と古河一高(茨城)が対戦。前半に先制点を奪われながら、後半に一挙3点を奪った成徳深谷が3-1で逆転勝利をおさめた。3日に行われる準決勝では、帝京第三高(山梨)と対戦する。

 すでに新人戦、関東大会予選の埼玉県2冠を達成している成徳深谷だが、大会前にディフェンスリーダーのDF成澤圭梧(3年)が負傷のため離脱。代役に入ったDF山田宏心(3年)も試合途中に負傷退場するなど、最終ラインにアクシデントが相次いだが、控え選手を信頼した為谷洋介監督の起用策で乗り切った。

「開始1分で怪我するかもしれないぞ、とは言っていたんですけど、まさか本当にそうなるとは……」。ホッとした様子で苦笑いを見せた指揮官は「一日でも長く群馬に居ようと思っていた。これでもう一泊できますし、予約していた宿をキャンセルせずにすんで良かったです」とおどけてみせた。

 試合の立ち上がりは互いのスカウティングの成果か、異様なほどのロングボール攻勢で始まった。過去5回の優勝を誇る古河一の高崎護監督が「相手がパワフルなので受けずにやり合おうと思っていた」と述べれば、為谷監督も「逆に付き合っちゃって、我慢比べをしよう」と真っ向から対応。ボールは地上よりも空中にある時間のほうが長い展開となっていた。

 そんな前半8分、成徳深谷に逆境が訪れる。右タッチラインからのDF長谷玲央(3年)のロングスロー攻撃に対して、敵陣PA内で競り合った左センターバックの山田が負傷。ここまでトップチームで一度も出番がなく、Bチームの主将を務めていたDF堀口新大(3年)がピッチに入るしかなくなった。

 前半30分、先取点を奪ったのは茨城王者の古河一だった。成徳深谷GK神尾龍汰(3年)のゴールキックを奪った流れから、MF真中洸人(3年)が縦にスルーパス。最終ラインのスペースを勢い良く陥れたMF前田幸佑(3年)が華麗なループでGKをかわし、ボールはゆったりとネットを揺らした。

 そうして1点ビハインドで迎えたハーフタイム、成徳深谷の為谷監督は「慌てないようにしよう」と選手たちを送り出す。後半8分、MF岩崎蓮(3年)に代わってFW新井飛雅(3年)を入れると、同14分には1トップのFW戸澤雄飛(2年)を下げてFW間中実来を投入。徐々にアクセルを踏み込んでいった。

 すると後半24分、足が止まってきた古河一を押し込む成徳深谷が得意の形から追い付く。左サイドからのロングスローを長谷が投じると、ニアサイドでMF佐藤蒼太(3年)がフリック。バウンドしたボールはゴール前にこぼれ、右センターバックのDF堀井皓士郎(3年)が頭で押し込んだ。

 ここからは完全に成徳深谷のペースとなった。後半27分、裏に抜けた間中が相手DFに倒され、自ら獲得したFKは惜しくも枠外。だが同35分、ゴールから約30mの位置で再びFKのチャンスを得ると、キッカーのMF藤田温杜(3年)が勢い良く蹴り出す。グングン伸びたボールはGK中澤史弥(2年)の頭上を越え、豪快にネットに突き刺さった。

 さらに後半アディショナルタイム2分、左サイドでボールを持った間中が鋭いカットインから右足を振り抜き、素晴らしいミドルシュートで3点目を奪取。神尾のビッグセーブもありつつ、2点のリードを守り抜いた成徳深谷が、翌3日に行われる準決勝への出場権を獲得した。

 成徳深谷はこの大会に臨むにあたり、背中に『ゼロ・ベース』(無失点が前提)と英字で記されたTシャツを新調。初戦は1失点を喫してしまったが、「想定内だった。2失点目をしなかったのが良かった」という。「一日でも長く群馬にいられるように」――。そう力強く口にした堅守志向の指揮官は、3日目に行われる決勝戦をハッキリと見据えていた。

(取材・文 竹内達也)

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