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[MOM2520]帝京長岡DF小泉善人(3年)_絶やさない声と気持ち、技巧派軍団の闘将

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帝京長岡高CB小泉善人主将

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.2 総体新潟県予選準決勝 北越高 0-1 帝京長岡高 五十公野公園陸上競技場]

 谷口哲朗総監督は「小泉がいないとどうにもならない」とその存在の大きさを口にする。2年ぶりの新潟制覇、そして日本一を目指す帝京長岡高にとって欠かせない存在、それがCB小泉善人主将(3年)だ。

 ボランチ、SBとしても力を発揮することのできる小泉だが、チーム事情でCBとして起用されている。だが、その対応力の高さ、またチームを動かす声が帝京長岡を支えていることは間違いない。

 この日はチャンスを作りながらも2点目が取れずに苦しい展開。逆に北越高の質の高いパスワークにゴール前まで攻め返されてしまう。小泉自身、この日は緊張があって思うようなプレーができていなかったというが、それでもCB長渡彗汰(3年)やSBたちと連係を取りながら決定的なシュートを打たせない。

「自分に何ができるかなと考えた時に暑いですし、声が出なくなって来た時に自分が声を出せるかというのがキーになると思ったので、声を絶やさないということと、下を向かないということを意識していました」と小泉。声でチームの集中力を保ちつつ、迫力ある動きでボールを奪い取る良さ、スライディングタックルでのクリアも見せたDFの存在はこの日も大きかった。

 声は自分がピッチに立つ上で必ず表現しなければならない部分だと考えている。「声出さないといけないというところがある。誰よりも声出して、走って、ぶつかって気持ちの面では相手に負けないように、相手を飲み込むような試合をしていきたい」。

 声にこだわりを持つようになったのは1学年上の先輩CB石川悠(現立正大)の存在が大きいのだという。「格好良い。こういう人がチームを引っ張っていくんだなと。1年生の時にあの人の声のおかげでDFライン引き締まっていたと自分は思っていて、気持ちや声を絶やさないようになりました」。自身もCBを務めるようになり、目標とする先輩DFと同じように声を発してきた。全国まであと1勝。テクニカルなサッカーを表現する一方、無失点を続けるチームの柱は決勝でも勝利の瞬間まで声を出し続ける。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2018

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