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日本vsパラグアイ 試合後の西野朗監督会見要旨

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日本代表の西野朗監督

[6.12 国際親善試合 日本4-2パラグアイ インスブルック]

 日本代表は12日、オーストリア・インスブルックのチボリ・シュタディオンでパラグアイ代表と対戦し、4-2の逆転勝利を飾った。

以下、試合後の西野朗監督会見要旨

西野朗監督
「ここ1、2戦は攻撃面でアタッキングサード、敵エンドに入ってからボックスを攻略できていなかった。そこをどうフィニッシュにつなげていくかというところを一番のフォーカスとしてチームに与えた。前半から積極的にボックスを攻略するボールの入りや人の進入を加えて戦えていたと思うが、やはりまだ10m足りない、クロスボールのクオリティーが中と合っていないという部分があった。攻略はしているが、1、2戦目と同様、最終的なフィニッシュに持っていけなかった。ハーフタイムに香川にはもう10m、岡崎に近いポジションを取って、香川がプレーしているところにボランチが入っていこうと。それぐらいの距離感で相手のボックスを攻略していく。乾、武藤も動きをもう少し付けていこうと指示した。形は取れていたし、そのあたりを少し工夫して、人もかけていく。後半は香川が積極的に絡んでいったり、乾の仕掛けも増えたり、そういう中で得点に結びついたので、いい修正ができたと思う」

―初勝利を挙げてW杯に臨めるが、この勝利の意味は。2得点の乾の評価は。
「1、2戦目も負けた気がしないようなゲームだった。得点こそ生まれなかったが、少しずつ狙いを修正しながら戦えていた。今日もさらに得点へのアプローチの部分を強調しながら、修正できて、得点できて、勝利も取れた。非常にポジティブに(ロシアに)入れると思っている。

 乾に関してはハーフタイムに『スパイクの中に何か入っているんじゃないか。親指のあたりをちょっと調べてみろ』と言った。(前半は)あまりにもイージーなシュートミスを連発していたので。スパイクを変えたら後半のような抑えの利いたフィニッシュが取れていた。入りの意欲やポジションはかなりアグレッシブにプレーしていたと思う。(シュートを)外した回数も多いし、2得点は妥当かなと。彼の特徴はボックスにどんどん仕掛けるところ。ゴールに向かう仕掛けが持ち味だが、オフのときでもフィニッシュに絡んでいくことが大事。外で待って受けるのではなく、動きの中でフィニッシュを取っていくことが必要で、それを後半は実践できた」

―3試合連続で先制を許し、セットプレーからの失点が続いている。今日のメンバーでコロンビア戦のスタメンに入るような選手はいたか。
「今日の試合前のミーティングでも話したが、PKで2つ、FKで1つ、自分たちのCKからの逆襲で1つ。すべて止まったボールから失点している。こんな屈辱的なことはないという話をした。一つのリスタートで状況はガラッと変わってしまう。流れの中では全体が意識しながら失点を防いでいる。もったいないゲームの流れで、自分たちで壊している。4得点して勝利したが、2失点しているところにフォーカスしないといけない。完全に崩されているわけではなく、こぼれ球のリアクションが遅かったり、不用意なFKを与えたり、そこの寄せが少し足りなかった宇佐美がいたりした。局面の厳しさ、バトルで状況がガラッと変わるシーンが多かったし、決定機も与えている。リスタートに対してのリスク管理はもう少しかけていかないといけない。これからますますリスタートの精度が高い相手にリアクションしないといけない状況が来る。そこは修正しないといけない。

 スイス戦と今日の試合で決してレギュラーメンバー、バックアップメンバーと分けているわけではない。今日の試合で可能性を求めたかったし、スイス戦以上のパフォーマンスをおそらくやってくれるだろうという雰囲気はあった。今日出たメンバーは非常にギラギラしていた。そういう意味で狙いというか、選手個々の評価としては、可能性を感じる選手が期待に応えてくれた。これからの準備が楽しみになっていくかとなと思う。選手個々のパフォーマンスには満足している」

―後半途中で2トップにして、また1トップに戻したが。
「岡崎と武藤の関係をどう捉えるかで、岡崎と武藤が2トップ的なポジションで、ディフェンスでは縦関係を取るということも考えていた。そうなると香川が中盤のボックスの右になるが、それは状況に対応する中で考えていた。まず武藤を右に出して、4-2-3-1で香川のトップ下にしたが、大迫を入れようとしたときは1-1の状況だった。オフェンシブに2トップということを考えていたが、そこで追加点が入って2-1になった。そのあとに大迫の投入となったが、得点を狙いに行くシフトを考えていたので、そのまま香川を右サイドに出した。岡崎の状態もあったので、あまり長く引っ張りたくなかった。そういう中で原口を入れて香川を(トップ下に)戻した。状況が拮抗していた中で点を取りに行く瞬間に切り替わったので、そのまま大迫を入れたが、どうしても香川をサイドに出すとディフェンスの負担が大きくなる。それまでのパフォーマンスも踏まえてどうかなと考えたが、オフェンスに対しての積極的なシフトチェンジということで、多少のリスクはあったが、香川を右に出して、そのあとに戻した」

―コロンビアの偵察も来ていたと思うが、いろんなメンバー、システムを試している中、試すことと隠すことのバランスはどう考えているか。
「テストのための3試合で、システムもキャスティングも変えている。今日、スイス戦からガラッと代わったメンバーを見て、どう捉えたか。コロンビアとすれば、捉えづらい日本を見ているのではないかと思う。まったく出していないものも当然ある。コロンビア戦に向けてオープンにできる部分と、出したくない部分がある。こういう厳しい試合の中でトライしたい気持ちはもちろんあるが、リスタートを含めて、それはこれからチーム内で詰めていきたい」

―コロンビア戦までに練習試合を組む予定は。
「それはまったく予定にない」

―前線と後ろで守備の意識にギャップがあった部分の修正がポイントだったと思うが。
「ディフェンスのメリハリという意味では、攻撃から守備に切り替わったところでは無条件にボールにディフェンスをかけようと。(プレスを)はがされたときに2つ目のポジションをどう取るかで、前と後ろに少し意識のズレがあった。今日はファーストディフェンダーに入る岡崎と香川の2人が良いコンビネーションで、方向付けのチェイシングやプレスのタイミングが前半から良かった。ロングボールを引き出すチェイシングができていて、タイミングも良かった。岡崎のディフェンスに対する意識は、自チームで精度の高い中でやっていることもあり、ハッキリとした方向付けができるから、そこからプレスをかけられる。前後のDFとFWの意識は合っていたと思う。非常にいいディフェンスができた。はがされて、全員が自エンドに戻ってブロックをつくる時間帯もあったが、それは決して悪い状況ではない。コロンビアを考えれば、ボールを保持される時間帯も考えないといけないので、そこは修正できた。前線の意識は後ろと合っていた」

―3バックを試す考えはあったか。
「今日も6枚のカードがあり、パラグアイには、リードされるとパワープレーを必ず仕掛けてくるチームスタイルがあるので、(パラグアイの)ベンチを見ていたが、そういう形に入ってこなかったので、そのまま続けたが、最終ラインに1枚入れることも考えていた。パラグアイが(前線の)センターに選手を出してくれば、残り10分でも、3-1の状況で逃げ切る、安定させる。5バックになったとしても、最終ラインに1枚入れる考えも持っていた。本大会になってもそういうケースはある。ただ、長谷部と吉田には今日はノーチャンスと伝えていたし、向こうも動いてこなったので、そのまま続けたが、そういう併用は考えている。4バックで今日結果が出たからではなく、常に状況を考えた中で持っておきたいオプションの一つだ」

―山口をキャプテンに選んだ理由は。センターバックの昌子と植田の評価は。
「山口のキャプテンに関しては、私が本人に伝えない中でミーティングで指名した。そのときの選手のリアクションとしては、乾、岡崎、本田圭佑の3人ぐらいが“ウッ”という顔をした瞬間はあったが、異議があるかという中でそういう声はなかった。まだそういう経験もないし、彼は(キャプテンシーの面で)十分ではないかもしれない。ただ、間違いなく彼はそういう立場で、そういう役割をチームの中で果たさないといけない選手。そういう立場になれば間違いなく果たしてくれるリーダー性は備えていると思う。異議があったらどうしようかと思ったが、なかったので(笑)。

 センターバックに関しては自チームで(一緒に)やっているし、阿吽の呼吸というのもある。距離感に関しても、コーチングを多少出さなくてもできるというのもある。チャレンジとカバーの意識も高いし、このレベルで通用するかしないかだったが、今日やってみて、ある程度自信を持てたセンターバック2人だったのではないかと思う」

―現時点でチームの完成度は。
「完成度を問われれば、それはまったく感じていないのが正直なところ。もっともっと選手の良さを引き出したうえで、可能性が高い完成形があるであろうと思っている。それを目指さないといけないが、段階的にはガーナ戦で従来取っていないシステムをトライさせた。将来そういう対応しないといけないことにトライさせたゲームがあり、スイス戦ではあの強豪チームにどうディフェンスして攻撃していくか。ガーナ戦を踏まえて戦えた部分もあったし、今日のゲームに対しては、得点が生まれない中でわずかな時間で修正をかけた。取った瞬間の守から攻への切り替えの部分を修正できて、なおかつアタッキングサードでの狙いも取って戦えた。チームの中で段階的に修正して、勝利をつかめた。チームのステップアップは感じているが、わずかな時間の中でチームが良くなっている。完成形と言われると、それはもっと高いものを急激に求めていかないといけない。代表選手は劇的に変わる瞬間がある。ステップアップしている感じが取れている中での今日の勝利。コロンビア戦に対して、また違う成長の角度が感じられるかもしれないし、それを求めていきたい」

―「新しい可能性を求めたい」と話していたが、今日一番感じた可能性は。得点シーンでもあまり選手と喜ばずに冷静だったが。
「(得点後は)次のことを考えている。乾に対しては、スパイクのことがハーフタイムにあったので一言言ったが。アタッキングサードで点が取れていなかった中で、決定機にどうしたらいいかではなく、チャンスをいかに増やしていくか、その意識をどう高めていくか、選手一人ひとりのポジショニングをどう考えていくかという修正をかけた。そこの可能性を発揮できるかというのは求めていたし、それに応えてくれた選手たちの可能性には満足している。同時に岡崎、香川、乾という(負傷明けの)選手たちが今日のゲームでどの程度のパフォーマンスが取れるか。それも高いレベルでパフォーマンスを出してくれればという期待はあった。彼らは日一日、ケガとの闘いもあったが、彼らの状態がいい形で出てくれればというのがあった。それに関しても予想以上にいいパフォーマンスを出してくれたし、連動してやってくれて、グループとして戦えていたのは収穫というか、期待したところを感じることができて満足している」

(取材・文 西山紘平)

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