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[MOM535]筑波大FW小笠原佳祐(4年)_呼び起こされたFWの嗅覚、主将の覚悟

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FW転向で即結果を出した小笠原佳祐(4年=東福岡高)

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.9 関東大学リーグ1部第9節 筑波大5-0流通経済大 たつのこ]

 試合前に渡されたメンバー表。下級生のころよりDFとして筑波大のレギュラーを務めてきた小笠原佳祐主将(4年=東福岡高)が、FWとして先発するという驚きの表記がされていた。

 結果はいきなり出た。開始5分、MF西澤健太(4年=清水ユース)、MF池谷祐輔(1年=川崎F U-18)と繋がったパスが前線のスペースに出ると、斜めに走り込んだ小笠原が左足で反応。シュートはGKの手を弾いて先制点になる。

 さらに小笠原は後半32分、MF渡邊陽(2年=浦和ユース)のスルーパスで抜けだすと、右足で豪快弾を記録。こう着していた時間帯で流経大にトドメを刺した一撃。まさにストライカーの仕事だった。

 FWとしての嗅覚が蘇った。小笠原は名門・東福岡高で2年生までFWとしてプレー。ただし同世代にMF中島賢星(岐阜)、MF増山朝陽(神戸)らがいたこともあり、最終学年でDFに転向。その後、大学進学後も主にCBとしてプレーを続けてきた。

 筑波大は昨年、13年ぶりに関東1部を制したが、FW中野誠也(現磐田)を中心とした攻撃陣が一気に卒業。今季開幕前からFW不足が懸念されていた。案の定、開幕からFWが固定されることはなく、また得点源のMF三笘薫(3年=川崎F U-18)がU-21日本代表の遠征に招集されたことで、FW不足はより深刻になっていた。

 この危機に立ち上がったのが、主将だった。前節の東京国際大戦をスコアレスで終えた翌日に、小笠原自ら小井土正亮監督の研究室を訪ね、自身のFW起用を提言。「僕はインカレ優勝を見据えて、コンバートすると思っていた」と早急な起用は求めていなかったが、小井土監督は小笠原のFW起用をすぐに実行した。

「今の戦力を見て、FWがいないよねと言って、僕のFWはアリですかと聞いた。選択肢には入っていたというニュアンスだったと思う。次の試合という意味ではなかったけど、良く信じて使ってくれたなと、感謝したいです」

 懐かしい思い出も頭を巡った。公式戦のゴールは高校3年生で出場した高校選手権の開幕戦、三鷹高戦で奪って以来。超満員の駒沢陸上競技場で決めて以来だった。ただ自身のゴールで勝利する感覚を「懐かしい」と思い起こすことが出来たが、一方で、「後ろでゼロで守ってもそんなに変わらない」ということにも気づくことができたという。

 今季より主将に就任。同学年には星稜高で高校選手権を優勝した時に主将だったDF鈴木大誠(4年=星稜高)や、同大会で準優勝の前橋育英高で主将だったMF鈴木徳真(4年=前橋育英高)がいるが、それでも小笠原が主将に任命された。

 実績のある小笠原と言えど、最終学年のポジション転向は今後のサッカー人生に影響しかねない。ただ「自分の人生よりそっちにかけたいなと思った」とさらりと話せる人徳が、チームメイトの信頼を得ている。「今後も貢献できるところで出たい」。主将の犠牲心が、筑波大の巻き返しを支える。

(取材・文 児玉幸洋)
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