beacon
TOP > NEWS > 記事詳細

[アミノ]ターンオーバー駆使した法政大が狙い通りの初優勝、関東王者として大臣杯連覇目指す

このエントリーをはてなブックマークに追加

法政大が関東王者として連覇を目指す総理大臣杯へ

[7.22 アミノバイタル杯 法政大2-1明治学院大 味フィ西]

 アミノバイタル杯2018の決勝が22日行われ、法政大明治学院大を2-1で下して初優勝を飾った。

 史上初、東京都1部リーグ所属チームの決勝進出となった、「アミノバイタル」杯2018 第7回関東大学サッカートーナメント大会。1回戦で昨年度関東リーグ王者・筑波大を下し、以降、東洋大早稲田大明治大と関東1部4校を下し、ついに決勝の場に進出したのは明治学院大。対するは、昨年度総理大臣杯チャンピオンの法政大。総理大臣杯では常に上位につけているが、意外にもこの大会では3位どまりで決勝進出は今回が初めてとなる。どちらが勝っても初優勝という、フレッシュな一戦。明学大の“ジャイキリ”が優勝という結果で終わるのか、U-21代表FW上田綺世(2年=鹿島学園高)擁する法政大がタイトルを手にするのか。多くの観客が固唾をのんで見守る中、キックオフの笛が鳴った。

 序盤は、法政大が“関東1部”の実力を見せつけた。準決勝の駒澤大戦からスタメン7人を入れ替え、エース・上田を先発させるなど万全の状態で臨んだ法大は、立ち上がりからMF紺野和也(3年=武南高)、MF田中和樹(1年=浦和学院高)の両サイドが積極的にドリブルで突破。すばやいパスワークとたたみかけるような攻撃で、明学大を圧倒する。

「多くの観客がいる中での緊張や、試合に懸ける意気込みが空回りしてしまった」(鈴木修人監督)という明学大だったが、前半20分をすぎると次第に落ち着きを見せ、法大からボールを奪取。鋭いカウンターから反撃を開始する。両者、激しくボールを奪い合う展開が続くが、両GK、吉田舜(4年=前橋育英高)、松田健太郎(4年=習志野高)の活躍もあり、ゴールまではいたらなかった。

 このままスコアレスで折り返すかと思われたが、アディショナルタイムに試合は動いた。明学大は45分、中盤のDF原川凌太朗(1年=桐蔭学園高)が競り合いの中で負傷し、急遽、MF鳥谷部嵩也(4年=桐蔭学園高)が交代出場することとなった。鳥谷部はピッチに送り出されるやいなや鋭いドリブルでチャンスを演出。前半も終わろうかと45+6分には、FW土屋真輝(3年=甲府U-18)からのパスを受けた鳥谷部がドリブルで突破をはかり、PA内に抜け出したMF武田義臣(1年=実践学園高)へとパス。この武田が倒されて、明学大がPKを獲得した。このチャンスに、DF新井博人(4年=桐蔭学園高)が冷静にキックを沈め、明学大が先制した。

 先制点を得、史上初の都1部所属大学優勝に向けて勢いに乗る明学大。攻勢に出る明学大に、法大もファウルからセットプレーを与える回数が多くなるが、セットプレーこそ明学大の武器。準決勝の明治大戦では、セットプレーとPKから3ゴールをマークしているだけに、あわやというシーンが続いた。

 すると法大は後半の6分、FWディサロ燦シルヴァーノ(4年=三菱養和SCユース)、MF森俊貴(3年=栃木SCユース)の2人を一気に投入。「前半は9割近くボールを握っていたがゴールを取れなかった。もう少しボールを収められる選手が必要だと感じた」という長山一也監督の狙いが的中。徐々に流れを引き寄せると、後半15分には紺野と関口がワンツーで前線に抜け出すと、最後は紺野がドリブルからゴール前にクロスを上げる。これをボランチのMF大西遼太郎(3年=磐田U-18)が頭で叩き込んだ。昨年度のインカレ決勝では退場処分となり、チームを苦境に立たせた大西が同じ決勝の場、悪夢を払拭するゴールで試合を振り出しに戻した。

 法大はさらにその2分後に、右サイドを紺野がドリブルで一気に前線へ。得意の切り返しでPA内に侵入すると、そのまま左足を振り抜きゴール左隅にシュートを突き刺した。「前半の突破は相手を疲れさせる狙いもあった。後半は相手も疲れてきて、抜けると思った」(紺野)という狙いどおりのゴールで法大が逆転に成功する。

 その後は両チームとも、疲れの見える選手たちを交代でリフレッシュしながらも、アグレッシブに試合を展開。明学大は最終ラインからの正確かつ強烈なロングキックで同点を狙うが、法大ディフェンスのこれを強固に跳ね返す。ラストプレー近くのアディショナルタイムのFKには、GKの松田も前線に上がり“全員総攻撃”でゴールを狙ったが、ゴールのないままタイムアップ。ついに明学大が敗れ、法政大が念願の初優勝を手にした。

 優勝した法大の長山監督は「この大会は連戦の厳しさもあって、総理大臣杯の出場権を獲得したところで満足してしまっていた」と振り返る。これまで3位決定戦が2回と5位決定戦が2回。決勝戦まではあと一歩が届かなかった。「だから今年は最初からタイトルをとろうと思っていた」。そのためには徹底したターンオーバーで臨んだ。全5試合に出場したのはGK吉田とDF加藤威吹樹(3年=広島ユース)、MF大西の3人のみ。中盤・前線のみならず最終ラインも日替わり構成となったが「それでも大崩れしなかった。ディフェンスラインの粘り強さによるところは大きい」と、守備陣の成長を讃えた。

 相手は都1部の明学大。例年とは違う状況の中で臨んだ試合だったが、準決勝戦後にディサロが「相手はもう関東1部を4つ倒してきている。ならばそれはもうジャイキリではない。普通に強いチーム」と警戒したように、最後まで格下相手という隙を見せずに戦った法大が、“勝ち抜いた”試合だった。

(取材・文 飯嶋玲子)

TOP