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“3冠世代”が躍動!! 無欲で楽しむ清水ユース、「出るのが精一杯」からの全国決勝へ

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福岡U-18を下した清水エスパルスユース

[7.28 日本クラブユース選手権U-18大会準決勝 清水ユース1-0福岡U-18 味フィ西]

 第42回日本クラブユース選手権(U-18)大会は30日、東京都の味の素フィールド西が丘で準決勝を行った。第1試合では清水エスパルスユースアビスパ福岡U-18が対戦。終盤に先制点を奪った清水ユースが1-0で勝利し、2016年大会以来2年ぶりの決勝進出を決めた。

 立ち上がりは「緊張感があったなかでスムーズに入れた」(平岡宏章監督)という清水が一方的な試合運びを見せた。前半8分、福岡DF桑原海人(3年)との競り合いを制したFW齊藤聖七(3年)が右サイドを抜けると、両チームを通じてのファーストシュートを記録。同10分にはMF佐野陸人(3年)がゴールを狙い、GK桜木亮太(2年)がキャッチした。

 前半15分すぎには、左サイドの最終ライン裏に抜け出したFW川本梨誉(2年)が立て続けにシュートを放つも、桜木の正確なキャッチングが厚みのある攻撃を許さない。一方の福岡は今大会でトップ下に抜擢され、出色の働きぶりを見せていたDF利川大貴(3年)が出場停止となったのが響いたが、両サイドハーフのMF北島祐二(3年)、DF坂口翔太(3年)がゴールに迫った。

 前半中頃の飲水タイムが明けても清水のペースは変わらない。それでも前半37分、相手守備陣のクリアボールを拾った齊藤がPA左に持ち込むも、強烈なシュートは惜しくもポストに直撃。同42分には、裏に抜けた齊藤が再び狙ったが、桜木がビッグセーブ。セカンドボールに詰めたFW青島太一(2年)だったが、ここでも桜木が立ちはだかった。

 スコアレスで迎えたハーフタイムには「皆さんのご想像どおりにゲキを飛ばしました」と福岡の藤崎義孝監督。ここまでグループリーグを首位で通過し、決勝トーナメントではFC東京U-18、名古屋U-18という強豪を破った戦いぶりを思い出させ、「みんなから評価されていたことをもう一回やろう」と選手たちを後半のピッチに送り出した。

 またMF庄司一輝(3年)、MF小嶋和典(3年)を一気に投入し、清水の可変システムに合わせた修正も施した。すると後半7分、北島の縦パスを受けた桑原が左サイドを突破し、クロスに反応した庄司が強烈なシュートを放つという形がさっそく見られる。平岡監督も「あの修正で思うように動かせなくなり、ギアを上げてきたことで苦しんだ」と舌を巻く良策だった。

 福岡は後半14分、接触プレーで負傷したDF常陸宙太(3年)がDF森山公弥(1年)との交代を強いられる。だが、今大会12分間でのみ出場していた森山は直後のプレーを難なく切り抜けると、その後は落ち着いたプレーを見せた。福岡は同18分、相手CKのカウンターからMF吉村銀河(3年)が敵陣に進攻し、高い技術を持つ庄司のシュートを呼び込んだ。

 後半飲水タイム明けは福岡が猛攻をしかけた。後半26分、左サイドを突破したFW松田知己(2年)のシュートは相手DFに阻まれたが、同28分には北島とのパス交換で攻め込んだ庄司が決定的なシュート。だが、今度はGK梅田透吾(3年)が決死のセーブを見せ、拮抗したスコアはなかなか動かない。

 対する清水は後半32分、「前半から脱水症状があったが、やりたいと言ったので引っ張った」(平岡監督)という齊藤がFWノリエガ・エリック(2年)との交代でピッチを去る。同35分には、またしても福岡にビッグチャンス。右サイド裏を抜けた北島が落ち着いたシュートで枠を突いたが、これも梅田がとっさに足を出してブロックした。

 そして後半38分、ついにスコアが動く。自陣で前を向いたDF監物拓歩(3年)が得意の左足で左サイド裏にロングフィードを送ると、猛スピードで抜け出したのは川本。そのまま相手DFをかわして抜き去ると、ファーサイドに低いクロスを送り、これに反応した途中出場FW山崎稜介(2年)がヘッドでねじ込んだ。

 1点を追う福岡は松田に代えてサイズのあるルーキーFW石井稜真(1年)を投入し、この難局を打開しにかかる。だが、清水は落ち着いた交代策で時間を使い、アディショナルタイム4分を切り抜けてそのままタイムアップ。九州勢で初めてベスト4の舞台に立った福岡は史上最高の3位で大会を終えることになった。

 決勝弾を導いたのは川本、山崎の2年生コンビだが、清水の平岡監督は試合前に「ここに慣れている君たちが決勝に連れて行ってあげて」と伝えていたという。現2年生は清水ジュニアユース時代の2年前、高円宮杯U-15決勝で西が丘のピッチを経験し、“中学年代3冠”という偉業を達成した世代。青島、MF五十嵐海斗(2年)の名前も挙げ、「さすがだなと思います」と称えた。

「全国出場が目標だった」という清水が掲げる今大会のテーマは『JOY』(楽しむ)。「全国に出るのが精一杯、そういうヤツらが楽しんでここまで来てくれた」と目を細めた平岡監督は「もちろん結果は一番大事かもしれないけど、欲を出すと良いことはない。決勝も楽しんで行きます」と述べ、グループリーグでも戦った大宮ユースとの決戦に自然体で臨むことを強調した。

(取材・文 竹内達也)
●第42回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会特集ページ

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