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[MOM2573]大宮ユースGK村田耀(3年)_大興奮のラストプレー同点弾!!決めたのは熱き守護神

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後半ラストプレーで同点ゴールを決めた大宮アルディージャユースGK村田耀(3年)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[7.28 日本クラブユース選手権U-18大会準決勝 大宮ユース3-2広島ユース 味フィ西]

 後半ラストプレーでの土壇場同点劇。それも、決めたのは一人だけユニフォームの違う守護神だった。大宮アルディージャユースのGK村田耀(3年)は準決勝の後半アディショナルタイム、味方のCKで敵陣まで攻め上がり、劇的な同点ゴールを記録。一度は相手に防がれたが、こぼれ球を豪快に叩き込んだ。

「キッカーの郁弥くん(MF高柳郁弥)がニア上を狙っていたので、自分もそこに入っていこうと思って、1回バウンドしたので相手はクリアが難しいと思い、セカンドボールを狙っていた。1回目のシュートは(相手の)正面に蹴っちゃったんですが、こぼれてきたので気持ちで押し込むだけでした」。

 直後に鳴り響いた長いホイッスル。たった1分間前までは敗北を意味する笛になっていたはずが、チームに延長戦20分間の猶予を与えてくれるものとなった。さらにこの一発で勢いを取り戻した大宮ユースは今度は延長後半終了間際、MF五百蔵悠(3年)の直接FKが決まり、窮地から一転して決勝戦への切符を手にした。

「試合に出られないメンバーも素晴らしいサポートをしてくれて、その人たちのためにも頑張らないといけないと思っていた。わざわざお金を払ってまで応援してくれるサポーターもいて、勝利をもたらしたいと思っていた。最終的に劇的な逆転勝利ができて良かったです」。試合が終わっても興奮は簡単に冷めやらぬ様子だった。

 最後の攻め上がりに懸けた村田だったが、直前のCKではコーチに攻撃参加を止められたという。「自分は少しでも上がりたくて、コーチに効いてみたんですけど拒否られちゃって。でもすぐに自分のゴールキックからCKが取れたんで、『行かせてくれ』と」。そんな積極性がチームを救う一撃につながったようだ。

 また、気になったのはゴール後の動き。歓喜の輪には一人加わらず、普段はあまり入ることのない敵陣内を走り回っていた。「応援してくれたみんなのところに行こうと思ってたんですが、もう興奮しちゃって。自分どこ回ってんだろうって(笑)。自分だけ格好つけてる感じで、空回りしちゃいました」。そんな“当事者”のアクションはゴールの劇的さをたしかに物語っていた。

 小学校ではフィールドプレーヤーだったが、大宮ジュニアユースのセレクションでGK転向を勧められたという村田にとって、ゴールは「それ以降で初めて」。“本職”の守備では2失点を喫したため「自分のミスを帳消しにしたかった」と反省の言葉を何度も述べたが、その借りは「チーム一丸で戦って、勝つことに意味がある」という3年ぶりの決勝で返すつもりだ。

(取材・文 竹内達也)
●第42回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会特集ページ

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