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“守備固め”だったキャプテンが大舞台で躍動…福岡U-18小嶋和典「高揚感があった」

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後半45分間でハイパフォーマンスを見せた福岡U-18のMF小嶋和典(3年)

[7.30 日本クラブユース選手権U-18大会準決勝 清水ユース1-0福岡U-18 味フィ西]

 グループリーグから準々決勝にかけて、計5試合での出場時間はわずか41分間。そんなアビスパ福岡U-18MF小嶋和典主将(3年)に出番が訪れたのは準決勝のハーフタイムだった。頼れる主将の登場によって劣勢だった戦況は一変。中盤の底から長短のパスを左右に散らし、並々ならぬ存在感を見せつけていた。

「自分たちはここに何をしに来たんだ!」――。前半シュート1本に終わったハーフタイム、ロッカールームでは藤崎義孝監督の“ゲキ”が飛んでいた。観衆が見つめる準決勝という緊張もあってか、チームは低調なパフォーマンスに終始。ベンチから見ていた主将も「今大会は入りが悪くなかったのに……」と焦りを感じざるを得ない展開だった。

 そんな背番号8にお呼びがかかった。「今大会は最後の守備固めで使われていたけど、前半は児島(MF児島信之介)があまりボールに触れていなかった。自分も準備はしていました」。副キャプテンのFW北島祐二(3年)から左腕の腕章を受け取り、後半のピッチへ。反撃はチームリーダーの背中に託された。

 準々決勝の名古屋U-18戦の終了後、今大会でゲームキャプテンを担っていた北島は以下のように述べていた。「チームのキャプテンは小嶋ですが、自分が巻くからには80分間声を出し、闘い続けないといけない。どれだけキツくても身体を張れるか、もう一歩を出していけるかが大事」。ピッチ上のリーダーが持ち続けていた闘争心はそのまま主将に受け継がれた。

 キャプテンマークに手を当てながらサイドラインをまたいだ小嶋は児島に代わってボランチのポジションへ。攻撃では最終ラインに入って組み立てを一手に担い、相手プレスを回避。これによってDF桑原海人(3年)と北島の左サイドコンビが前へ進めるシーンが増えた。また、守備ではサイズを生かした対人戦で相手の攻撃を食い止めた。

「このスタジアムでプレーできるという高揚感があった」という小嶋は、自身のプレーを「悔しい大会だったけど、こうやってチャンスをもらってやってやろうと思っていた。自分がフリーになってビルドアップが安定し、斜めのパスからチャンスになった」と振り返った。しかし、結果は終盤の失点で0-1の敗戦には悔しさを残した。

 とはいえ、大舞台で存在感を残したことによって、冬に向けてプレー面でのアピールに成功した。「個人としてはスタメンフル出場でずっといきたい。チームとしてはプレミアで8位と調子が良くないので、ベスト4に入れた自信とここで敗れた悔しさを持って、Jユースカップにつなげたい」(小嶋)。苦しみを乗り越えた先に迎えたハイパフォーマンスの45分間を経て、頼れる主将はシーズン後半に向けて巻き返しを誓った。

(取材・文 竹内達也)
●第42回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会特集ページ

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