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4日前までフットサル全国大会に出場して8強。“二刀流”の札幌大谷がインハイ初白星!

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PK戦5人目、札幌大谷高GK畠山諒介が右足シュート決めて3回戦進出!(写真協力=高校サッカー年鑑)

[8.8 総体2回戦 札幌大谷高 1-1(PK3-1)作陽高 鈴鹿]

 8日、夏の高校サッカー日本一を争う平成30年度全国高校総体「2018彩る感動 東海総体」(インターハイ)サッカー競技(三重)は2回戦を行い、札幌大谷高(北海道1)対作陽高(岡山)戦は1-1で突入したPK戦の末、札幌大谷が3-1で勝った。インターハイ初勝利を挙げた札幌大谷は、9日の3回戦で昌平高(埼玉1)と戦う。

 札幌大谷はインターハイ開幕直前の8月2日から行われたJFA 第5回全日本U-18フットサル選手権大会に北海道代表として出場。大黒柱のCB濱田雄也主将(3年)や注目MFの野開ディラン(3年)、10番MF赤坂渓也(3年)ら同大会にベンチ入りした11名のうち、10名はインターハイ登録メンバーだった。

 冬にフットサル全国大会の出場権を獲得した時点ではインターハイとスケジュールが近くなることが判明していなかった。結果、7月末にフットサル選手権の行われる仙台市に入り、8月4日までフットサルを戦ってきた。そこから11人制に戻る不安もあったという。

 だが、濱田が「自分たちで勝ち取った全国だったので、そこも出ていい思い、プラスの思いをしてインターハイに繋げていこうと」と説明したように、選手たちは全力で臨み、優勝チームの帝京長岡高(新潟)を最も苦しめる戦いを見せてベスト8。5得点をマークした赤坂らの活躍もあった。この日は同じくフットサル選手権4強の作陽が相手だったが、フットサルとサッカーのメンバーが別だった相手に勝利。まだ11人制の感覚が戻っていない部分もあるというものの、勝って次に繋げた。

 前半、風上に立った作陽がFW原本連太郎(3年)の推進力ある動きなどを活かしてCKを獲得。先制点に繋げようとするが、後半勝負を狙っていた札幌大谷は、濱田を中心に凌ぎながら時計の針を進める。

 だが、作陽はMF岸孝宗郎(3年)のドリブルシュートや右サイドの崩しからMF早川海瑠(3年)がシュートへ持ち込むなどプレッシャーをかけると38分、左CKのこぼれ球を拾ったCB羽田一平主将(3年)が右前方へ持ち出してから右足を振り抜く。これが相手DFのハンドを誘い、PKを獲得。キッカーの10番MF西山拓実(3年)が左足シュートを右隅に決めて作陽が先制した。

 作陽は後半も原本の仕掛けやサイドでの崩しからゴールを目指すが、攻め切るようなシーンを増やせない。逆に風上に立った札幌大谷は終盤にかけて持ち味のパスワークと2人、3人が追い越していく動きが出て作陽を押し返す。また「1タッチとかで崩していくところはフットサルが活きている」(濱田)という攻撃も披露。そして30分、右中間へ抜け出したMF佐々木康佑(2年)の右足シュートが相手DFのハンドを誘発し、これで得たPKを赤坂が右足で決めた。

 土壇場で追いついた札幌大谷はその後の優勢な時間帯で勝ち越すことこそできなかったが、PK戦で3回戦進出を決める。互いに1人目が失敗したPK戦は札幌大谷・2人目の赤坂と3人目のFW齋藤留偉(3年)が成功。札幌大谷は4人目のキックがクロスバーをヒットしたものの、直後にフットサル全国8強メンバーの一人、GK畠山諒介(3年)が相手の4人目を止めて見せる。最後は畠山が右足で右隅に決めて決着。札幌大谷がベスト16進出を決めた。

 気温32.8度の暑さの中での試合を勝ちきった札幌大谷の田部学監督は選手たちに「ハードワークと攻守の切り替え、球際」を求め続けてきたという。選手たちはそのベースを最後まで発揮。1点を追う展開にも焦れずに攻め続けたことが同点ゴールと勝利に繋がった。

 濱田は「歴史は変えられたんですけれども、今日の試合を振り返ると自分たちの満足行く試合ができなかった。さらにいい試合をしていきたい」。目標はフットサル選手権のベスト8を超えて日本一。まずは昌平戦でよりよいサッカーをすることにこだわって、白星を勝ち取る。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2018

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