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CB山田祐樹主将中心に守備安定の立正大淞南、指揮官にとって「特別な」相手を完封

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立正大淞南高CB山田祐樹主将は好守で完封に貢献。チーム全員で日本一を目指す。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[8.8 総体2回戦 関西大北陽高 0-1 立正大淞南高 鈴鹿]

 立正大淞南高(島根)の南健司監督にとって、この日対戦し、1-0で勝利した関西大北陽高(大阪1)は特別なチームなのだという。自身の高校時代(大阪市立桜宮高)は、前身の旧北陽高が大阪府の高校サッカーを牽引し、全国大会の上位に食い込んでいた時期。「(地元の)大阪ではなく島根で勝負しよう」と考えたのも、北陽、当時の名将・野々村征武監督に勝つのは簡単ではないと考えたからだった。

 90年台後半から台頭してきた立正大淞南(淞南学園)に対し、「北陽」は徐々に全国舞台から遠ざかっていた。17年ぶりに全国復帰した関西大北陽とは、今回が全国大会での初対戦。当時と同じ赤いユニフォームをまとう関西大北陽相手に、立正大淞南は前半から積極的な仕掛けでリズムを掴む。

 6分に先制した立正大淞南に対し、関西大北陽も反撃。190cmFW片岡慎太郎(3年)を投入した後半、ロングスローやFKでプレッシャーをかけ、FW真鍋智也(3年)やMF今井泰祐(3年)が決定的なシュートに持ち込んだ。

 だが、立正大淞南は南監督が「安定していた」と評価する守備。「自分は抜かれたらシュートまで行かれるポジションなので自覚している」と責任感ある守備を見せていたCB山田祐樹主将(3年)と、高さのあるCB柴田崚司(3年)、そして幅広い動きでチームに貢献するMF上田隼也(3年)を中心にほとんど穴を作らず、危険なシーンもGK豊田純平(2年)の好守で凌いだ。

 ただし、山田祐は「まだまだです。ゼロで抑えられたんですけれども、シュート打たれたりとか、上に行くと決めてくる選手が絶対にいるので、ああいうところを直していかないと」と厳しい評価。より相手にチャンスを作らせない守備を目指していく。

 立正大淞南の過去最高成績は全国ベスト4。山田祐は「ベスト4で止まっているのでそれを越して優勝まで行きたい。全員で粘ってシンドい時は応援見て一本で刺す」と力を込める。ピッチサイドの大応援に応えること。この日、全国優勝の歴史も持つ伝統校を無失点で乗り越えた立正大淞南は、まだまだ止まらずに上を目指す。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2018

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