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[MOM2589]桐光学園FW西川潤(2年)_力強さ増した2年生エースが決勝点を演出

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桐光学園高FW西川潤は決勝点を演出。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[8.9 総体3回戦 桐光学園高 3-1 明秀日立高 鈴鹿]

 危ない、試合の流れだった。桐光学園高は前半にFKのこぼれ球を押し込んで先制したが、後半に同点弾を許した。スコアはイーブンでも、追いついた方が、勢いは上。一気に押し込まれる可能性がある時間帯を迎えたが、2年生エースが悪い流れを断ち切った。

 後半26分、相手の一瞬のミスを見逃さなかった。左サイドで縦パスを受けたU-16日本代表FW西川潤(2年)は、縦へ進もうとしたが、相手に一度ボールを奪われた。しかし、その時点で相手はSBとGKが同時にボールへ反応しており、相手は予定していたバックパスができずに焦っていた。プレッシャーをかけた西川は、相手のクリアをひっかけると、慌てて奪い返そうとする相手を得意の個人技でかわして、ラストパス。左MF田中彰真(3年)が押し込んで勝ち越し点を奪った。

 西川は「奪われたときに(タッチライン際にいた)GKコーチから『取り返せ!』と言われて、やらなきゃと思って、ボールを取ってから切り返した。点を取りたかったので、自分で行こうかなと思ったけど、チームが勝つために、中にちょんとパスを出しました」とアシスト場面を振り返った。少し笑って話したのは、自分自身でゴールを取りたい思いがあったからだ。

 初戦は硬さもあり、1対1を外して、PKの1得点のみ。鈴木勝大監督は「彼は、昨日、一昨日は、寝ていたのでね。もちろん、ゴールという結末も常に求めていますけど、ああやってゴールを演出するのも彼の良さ。苦しいときに持ち味を出せたのは、チームにとっても本人にとっても良かったと思います」と冗談を言いながら、エースとしてチームを救った西川のプレーを称えた。

 昨年、1年生で10番を背負った西川は、大きさ、速さ、上手さを兼ね備えた注目選手として知名度を高めた。しかし、相手チームの上級生は、決して楽な相手ではない。西川は局面で技術の高さを生かして突破を仕掛けたが、相手がコンタクトプレーで潰しに来ると、ファウルを得られることはあっても、なかなかシュートまで持って行けなかった。ところが、この試合では変化を感じさせる場面があった。

 1つは、前半。相手選手が抜かれそうになり、ユニフォームを引っ張りながら食らいついたが、西川はなかなか倒れずに前進。相手のファウルになると、相手チームである明秀日立の萬場努監督が「簡単に倒れちゃダメなんだよ。あれぐらい我慢していければ相手のファウルになるんだから」と西川を好例として選手を諭した。西川が容易に諦めないため、相手の行動は明確なファウルとなった。もう1つは、後半。中央でゴールに背を向けてパスを受けてから、左にドリブルで流れて相手をかわしてシュートをする場面が何度も続いた。ゴールの匂いがぷんぷんと香るプレーだった。

 力強さを増していた。「上手かったんだけど、潰された」場面が「ボールを持てば、シュートまで行ける」に変わっていた。今季は、倒れないことを特に意識。体幹トレーニングに精を出しているという。「最近、意識しているところ。倒れてしまうことが多かったけど、キープできればチャンスになる。こだわっているところ」と話した。ワールドカップを見てからは、フランス代表のムバッペを一つの手本としてイメージしている。誰にも止められないエースへ、そして日本一へ。次戦も倒れず前進するのみだ。

(取材・文 平野貴也)
●【特設】高校総体2018

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