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J注目MF原田が後半45分に“超絶FK”で決勝点!インハイ4強・昌平が後期リーグ戦7連勝で選手権予選へ

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後半45分、決勝点となる右足FKを決めた昌平高MF原田虹輝がガッツポーズ

[10.7 埼玉県1部L第16節 昌平高 2-1 浦和東高 昌平高G]

 高円宮杯 JFA U-18 サッカーリーグ 2018 埼玉 S1(1部)リーグ第16節の昌平高浦和東高戦が7日に行われ、インターハイ4強の昌平がMF原田虹輝(3年)の決勝FKによって2-1で競り勝った。

 立ち上がりからボールを支配し、SBの背後のスペースを突きながら攻める昌平は前半13分、インターハイまでのSBからFW転向した伊藤雄教(3年)がMF木下海斗(3年)のスルーパスで抜け出して左足で先制点を奪う。

 その後も攻め続ける昌平は伊藤が抜け出しからシュートを狙い、30分には左クロスから豪快なクロスバー直撃ヘッド。スピードと強さを活かして追加点のチャンスを作り出す。一方、公立の実力派・浦和東は序盤こそ、相手のパスワークのスピード、抜け出しのタイミングに慣れずに押し込まれたが、徐々に対応が向上。ボールを奪うと、左サイドのMF横田遥人(3年)のドリブルを軸に攻め返し、相手CB関根浩平主将(3年)に阻まれたものの、縦パスからエースFW小川翼(3年)がチャンスを迎えるシーンもあった。

 昌平は原田がパスとDF間へのドリブルを使い分けながら相手DFにプレッシャーをかけ、左SB堀江貴大(3年)らのクロスで追加点を狙う。後半11分、抜け出した伊藤が切り返しでDFを外して右足を振り抜くが、浦和東GK野本高嶺(3年)がストップ。15分には木下の右足ミドルがクロスバーを叩いた。

 チーム間で良く声の出ていた浦和東はCB上原龍(3年)中心に相手のクロスを跳ね返し、また背後を取られずに守り続ける。昌平は関根が「停滞する時間を作ってしまって、もっと自分たちから2点目を取りに仕掛けるべきだったのかなと思います」と反省したように攻めるものの、攻撃が停滞してしまっていた。後半半ばにはエース格のFW森田翔(3年)と国体で埼玉県選抜を日本一へ導いた1年生MF須藤直輝を投入。だが、我慢強く戦う浦和東が同点に追いつく。交代出場で前線に活力を加えたFW大越來(3年)がチャンスに絡むと39分、セットプレーの流れから大越のシュート性の左クロスを右SB中村弘汰(3年)が押し込んで1-1とした。

 2位・西武台高と勝ち点2差でリーグ戦首位の昌平は勝ち点3が必要な一戦。インターハイベスト4、その後のリーグ戦6試合全勝で自信をつけている昌平は再び突き放す。MF渋屋航平(3年)とのワンツーから須藤がゴールに迫るなどギアを上げると45分、須藤が左中間でFKを獲得。これを神戸、川崎Fに練習参加している注目MF原田が、右足でゴール右上隅に“超絶FK弾”を決めて勝ち越した。藤島崇之監督が「1-1に追いつかれても取り返すところがある」と成長を認める昌平が2-1で勝利。13日に開幕する選手権予選決勝トーナメント(昌平は27日が初戦)へ向けて弾みをつけた。

 今夏のインターハイは最近3年間で2度目となる全国4強。質の高い攻撃に加え、Jリーガーも続けて輩出しているチームに対する日本一への期待度は高まっている。「目指すところへの気持ちが生まれてきているのが良い。“期待される土俵”に乗れたと思う」と藤島監督。ただし、2年前はインターハイでベスト4進出も選手権は埼玉予選を突破することができなかっただけに、その難しさはコーチ陣、選手も十分に理解している。

 関根は「全国の高校よりも、埼玉の高校の方が自分たちのことを研究していると思うので勝ち抜くのは大変だと思うんですけれども、自分たちはインターハイで自信をつけて来ましたし、今も(後期)リーグ戦では全勝。良い形で調整できてきているので初戦の入りから大事にして一つずつ勝っていくことが必要かなと思います」と引き締めた。ライバルたちの壁を乗り越えて埼玉制覇へ。昌平が一戦一戦集中して勝ち上がり、日本一への挑戦権を獲得する。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2018

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