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[MOM2638]武南FW小林明日斗(3年)_2発!選手権へ向けて“本気になった”FWが攻守で躍動

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武南高FW小林明日斗は2得点の活躍

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.7 埼玉県1部L第16節 武南高 3-1 浦和学院高 昌平高G]

 新人戦も、関東大会予選もチャンスを掴めず、インターハイ予選は怪我もあってベンチ外で出場ゼロ。素材感はあり、リーグ戦で先発起用もされていたというが、定着できていた訳ではない。走ることは嫌いで遠ざけていた。だが、そのFWが変わった。

「3大会終わって選手権だけとなった時にちょっと自分も焦ってきて、全然出てないなと感じて、このままじゃヤバイと」。気づくまでに時間はかかったかもしれない。ただし、そこから相手を追うことで手を抜かず、筋トレにも取り組んできた強化してきたというFW小林明日斗(3年)は今、伝統校・武南高の最前線で一際存在感を放っている。

 武南の名将・大山照人コーチが「ミスが少なくなったし、頑張れる」と信頼を口にしていたが、この日は最前線で自分の身体にムチを打って走り続け、178cmの高さを活かして泥臭いボールキープ。連係した崩しを特長とするチームの攻撃の起点となった小林は、自らも2得点を叩き出した。

 前半10分、MF宮下瑛(3年)からの左クロスを左足ボレーで決めて先制点。さらにダイナミックな動きからシュートを打ち込んでいた小林は、後半14分にMF渡辺瑠太(3年)の足裏パスから前を向いてボールを受けると、右足シュートをゴール左へ叩き込んだ。

 その後も敵陣PA付近でのインターセプト含めて決定機に絡み続けた小林だが、「3点目が目にくらみすぎてシュートが雑になってしまっていました」とゴール前での落ち着きを欠いて3点目は奪えず。ただし、自分がボールを追うことで相手が前へ蹴り出すしかなくなり、それを味方のCB上岡勇輝(3年)やCB井上竜太(3年)が跳ね返してくれることを楽しみながら守備しているという小林は、この日も前線で良く走り、チームメートの良さを引き出していた。

 2得点に加えて、守備でも相手にとって嫌な存在で有り続けた。本人はまだ本当の自信を得ている段階ではないようだが、ライバル校の指導者も警戒する存在に。姿勢が変わり、内野慎一郎監督やコーチ陣、チームメートからの評価を高めているFWは「チームに貢献できれば。みんなから評価されるようなFWになりたいです。結構今、上手く行っている。それを選手権で出せたらいい」と力を込めた。“本気になった”期待のストライカーが、選手権で武南の勝利に一つでも多く貢献する。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2018

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