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[MOM567]筑波大MF西澤健太(4年)_清水内定10番が4連勝に導く

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4連勝に導く決勝点を奪ったMF西澤健太

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.27 関東大学L1部第18節 順天堂大0-1筑波大 たつのこ]

 ようやく決まったゴールに、パフォーマンスで喜びを爆発させた。筑波大の10番MF西澤健太(4年=清水ユース/清水内定)は、前半に4度のシュートチャンスを迎える。しかし23分、そして38分のシュートがいずれもクロスバーを叩くなど、好機を逸し続けた。

 だが気合を入れ直した後半16分、ついにゴールネットを揺らす。DF加藤潤(3年=新潟明訓高)の浮き球で相手の背後を取ると、GKとの1対1を今度は逃さないとばかりに冷静にGKを倒して、先制点を決めた。

 ただ、ゴールの場面については「落ち着いて決められた」と振り返った西澤も「僕が決めていればもっと楽な試合になった。枠に飛ばさないといけないですね、練習します」と反省が先といった様子だった。

 西澤は今月13日、大学入学前までを過ごした清水エスパルスへの入団内定を発表した。春先にはJ1他クラブの練習に参加することもあったが、「戻る以外の選択肢はない」と“古巣”への強い想いをもって、オファーを待ち続けた。

 待望の正式オファーが届いたのは9月。「あれだけ同期が活躍しているのを見ていると、エスパルスへの愛着が増していった」と、迷うことなく快諾した。

「ユースから大学に行って戻るというのは初のようです。僕が結果を出すことで、後に続く選手のモチベーションにもなると思うので頑張りたい」

 ユース時代の同期であるFW北川航也の活躍にも刺激を受けている。北川は現在、自身初の2桁ゴールとなるJ1リーグで12得点を記録。今月8日のキリンチャレンジカップのパナマ戦では、日本代表デビューも果たした。

 入団内定後は無料通信アプリのLINEで連絡を取り合ったという2人。クラブからも「北川と一緒にやってほしいという話をしていただいた」という。

「自分も代表を目指してサッカーをしていますが、あいつがあのピッチに立ったことで、より現実味を帯びてきた。あいつが行けるなら俺も行きたいなという気持ちが出てきている」

 関東リーグ戦を制したチームの10番を引き継いだ今季。しかし前期は自身は全試合に出場して4得点を決めたものの、チームは8位と低迷。さらに総理大臣杯予選にあたるアミノバイタル杯ではまさかの1回戦負けという屈辱を味わった。

 このままでは終われないと巻き返しを期した後期。ここまで第14節の東洋大戦を2-3で落とす取りこぼしはあったが、それ以外の6戦は勝利。4連勝で2位に浮上しており、完全復調といってもいい状態にある。

 次節はいよいよ首位早稲田大との直接対決。結果次第では早稲田大の優勝が決まる可能性があり、前年王者としてはますます負けられない戦いになる。

「前期苦しんで、大臣杯も出れなくてというところで、本当に苦しい時間だったんですけど、そこで一つにまとまれたというのが、後期1位の成績に繋がっているのかなと思う。去年と逆の立場ですけど、早稲田大に勝ってプレッシャーをかけ続けたいです」

(取材・文 児玉幸洋)
●第92回関東大学L特集

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