[10.28 AFC U-19選手権準々決勝 U-19日本代表 2-0 U-19インドネシア代表]

　完全アウェーの“決戦”でも頼もしい存在だった。2トップの一角で先発したFW久保建英(横浜FM)は的確なパスを散らしてコンビネーションで崩し、攻撃にリズムを生んだ。後半20分からは右サイドハーフに移り、「縦に仕掛けることを意識した」と雨脚強まるピッチを鋭いドリブルで切り裂いた。

　迎えた後半26分だった。MF宮代大聖(川崎F U-18) とのパス交換で相手守備を食いつかせると、「2人の間から大聖が見えたタイミングで出した」と、DF2人の間を通すラストパス。勝利を決定づける2点目をお膳立てした。

「大聖のトラップがうまかったので、あとは入るだろうなあと思って見ていた」と振り返った久保は、得点後に宮代が自身と抱き合わなかったことに触れ、「全然俺の方に来てくれないので。ベンチに行くだろうなというのはありましたけど、来てくれよって感じですね」と笑いを誘った。

　U-20W杯出場権を懸けた準々決勝に60,154人の大観衆がスタンドを埋め尽くした。ピッチ上で声がかき消され、地鳴りするほどの大声援。A代表以外ではなかなか経験できない超絶アウェーを振り返り、「みんなスピーカーでも持ってんのかってくらいでしたね。どこがゴール裏かわからないくらい声がでかかった」と冗談交じりに話した。来年開催のU-20W杯出場権を獲得し、安堵の表情を見せた17歳は「すぐ次に切り替えて、次の目標は優勝」と今大会の頂点を見据えている。

(取材・文　佐藤亜希子)

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