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守護神・佐藤文太が窮地救う3連続PKセーブ!仙台育英が聖和学園にPK勝ちで連覇達成:宮城

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仙台育英が連覇達成

[11.3 選手権宮城県予選決勝 仙台育英高1-1(PK3-1)聖和学園高 ユアスタ]

 第97回全国高校サッカー選手権の宮城県予選は3日、ユアテックスタジアム仙台で決勝が行われ、仙台育英高聖和学園高が対戦。終盤に聖和学園が先制するも、後半終了間際に仙台育英が追いつき、延長戦でも1-1のまま決着がつかず突入したPK戦を3-1で制した仙台育英が2年連続33回目の全国出場を決めた。

「残り3分で失点し、勝負はこれでついたと諦めかけました」。経験豊富な仙台育英の城福敬監督をもってしても、敗戦を覚悟する展開だった。

 前半序盤は2年ぶりの全国大会出場に燃える聖和学園が得意のドリブルと、スルーパスを織り交ぜた攻撃で決定機をつくり出した。だが、前半途中から徐々に緊張が解けた仙台育英が、聖和学園のドリブルに慣れ出すと、決定機をつくり出していく。ところがスピードが武器のFW結城陽向(3年)や長身FW仲澤岬希(3年)らのシュートがことごとくポストやバーを叩く。後半も押し込みながら得点の入らない嫌な流れが続いた。

 そして後半38分、「前からボールへアタックに行くという守備ができていましたが、このシーンではそれが弱く、相手の個人技にやられました」とキャプテンDF堀江凛太郎(3年)が振り返った通り、一瞬守備が甘くなった隙を突いたのは聖和学園MF古賀楓真(2年)。昨年の国体にも出場したテクニシャンは中央でボールを受けると、やや左に流れて左足シュートを放つ。美しい孤を描いた先制ゴールが決まり、これで勝敗は決したかに見えた。

「嫌なムードがあったが、諦めるなと声をかけました」という堀江は最後の最後で大仕事をする。後半アディショナルタイム3分、スローインのボールを受けた堀江は「誰かが触って決めてくれれば」とクロスを上げた。これに反応したのが途中出場のMF五十嵐健(3年)だ。「良いボールが上がってきたので触れば何かが起こる」とバックヘッドでボールをすらした。このボールがゴール右隅に吸い込まれて同点。「訳も分からずスタンドに走りました」とプリンスリーグ東北ではわずか2試合の途中出場に終わり、セカンドチームの宮城県リーグ1部の試合出場が多かった“スーパーサブ”が大舞台でチームを救い、喜びを爆発させた。

 このまま延長戦を戦ったが、双方ゴールは生まれず1-1のままPK戦に突入した。PK戦は先攻の仙台育英が1人目のDF今野太勢(3年)がポストに当ててしまう嫌な展開。しかしこのムードを一変させたのはGK佐藤文太(2年)だった。「1人目を決められた時、左に飛んだが弱いボールが真ん中に来ました。2人目も真ん中気味に来たので落ち着いて止められました」と振り返った通り、聖和学園2人目FW梅田隆之介(3年)のPKをセーブ。仙台育英が2人目から4人目が全員成功させた中、GK佐藤はさらに3人目、4人目も止め、3連続セーブ。PK戦を3-1で制した仙台育英は苦しみながらも連覇を達成した。

 仙台育英は今夏のインターハイで宮崎県の日章学園高に試合終了間際に同点に追いつかれ、PK戦で敗れた苦い経験がある。「大会前は毎日PK練習をやりました。紅白戦をやった後、必ずAチームとBチームでPK戦をさせました」という城福監督は、実戦同様の形式でPK練習を行った成果が出たことを喜んだ。「PKだろうと何だろうと勝ち上がろうと最善を尽くしてくれました。選手の粘り強さに敬服しています」と一時は敗戦を覚悟した中、土壇場の同点ゴールとPK戦で連覇を引き寄せた選手たちを讃えた。「全国は今日のような厳しい試合が続きます。ベスト16を目標に頑張りたい」と語る堀江キャプテン。この日見せた粘り強さを全国の舞台でも見せ、上位進出を目指す。

(取材・文 小林健志)
●【特設】高校選手権2018

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