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8月の1次予選初戦から3か月…計8試合の戦い勝ち抜いた国士舘が15年ぶりV!:東京A

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15年ぶりとなる全国大会出場を決めた国士舘高イレブン

[11.17 選手権東京都Aブロック予選決勝 大成高 0-1 国士舘高 駒沢陸]

 国士舘が15年ぶりV! 第97回全国高校サッカー選手権東京都Aブロック予選決勝が17日に行われ、初優勝を狙う大成高と15年ぶりの全国出場を目指す国士舘高が激突。国士舘がMF濱部響乃介(3年)の挙げた決勝点によって1-0で勝ち、15年ぶり4回目の全国大会出場を決めた。

 国士舘はインターハイの全国決勝が行われた3日後、8月16日に行われた選手権東京都1次予選1回戦で工学院大附高に勝利。そこから約3か月間にも渡る戦いを勝ち抜いて頂点に立った。MF長谷川翔主将(3年)は「(3か月間に)怪我する人もいて、みんなで勝ち取った優勝だと思っています」。そして、上野晃慈監督は部訓である「継続は力なり」をやり通した選手たちを讃えていた。

 8月の初戦からトータル8試合目となる決勝戦。前半は0-0、後半勝負のプランを持っていた国士舘は、相手の高く設定されていたDFラインの背後をシンプルに狙って攻撃を展開する。前半はロングボールが行き交う展開となったが、国士舘は接点の勝負で優位に。そして、MF唐澤大地(3年)やFW柳陽哉(3年)の仕掛けをアクセントにゴールを目指した。

 0-0の迎えた前半37分、国士舘がファーストシュートで先制点を奪う。左SB菊地駿斗(3年)の左CKをニアへ飛び込んだMF濱部響乃介(3年)が「良いボールが来たので合わせるだけでした」と右足のかかとでシュート。これがニアサイドのゴールを破り、国士舘が先制した。

 大成は直後、それまで少なかったグラウンダーのパス交換で中、外へとボールを動かし、MF神谷琉(3年)が右クロス。ファーサイドから飛び込んだFW丸山龍基(3年)が決定的なシュートを放ち、そのこぼれ球を狙ったが決めきることができない。MF宮脇茂夫(2年)の左足キックやMF内田康平(2年)のキープ力を活かしながら反撃するものの、国士舘は長谷川やGK小松直登(3年)を中心に凌ぎ、1-0のまま試合を進める。

 国士舘は後半11分、菊地の右FKから長谷川が決定的なヘッド。だが大成はGK柴田憲伸(3年)がファインセーブを見せて追加点を許さない。逆に22分、大成は右サイドのMF阪口駿(2年)からPAに走り込んだFW 原田晃希(3年)へパスが通る。DFに後方から押し倒された原田がPKを獲得。そして、自らキッカーを務めた原田が右足で狙った。だが、シュートコースを読んでいた国士舘GK小松直登(3年)が右へ跳んでストップし、セカンドボールから打たれたシュートもはじき出す。

 この後、「(80分間で勝負を決めるため)PK止めた瞬間から強気に行った」という国士舘の上野監督は立て続けに選手を入れ替え、敵陣深い位置で仕掛けたMF莊原聡(3年)やMF福田竜之介(3年)がFKを獲得。相手の反撃の勢いを断つことに成功する。大成は前線へ入れたボールのこぼれ球から内田らがチャンスを迎えるシーンもあった。だが、我慢強く相手の攻撃を跳ね返し、逆にカウンターやセットプレーから押し返した国士舘が1-0で勝利。15年ぶりとなる全国切符を獲得した。

 国士舘の上野監督は「子どもたちが良く頑張ってくれた」と語り、長谷川は「みんながチーム一丸となって戦って来れたことが勝因」と頷いた。特別な選手はいない。インターハイ予選は初戦で敗れ、選手権は1次予選からの戦いとなった。それでも、「雑草魂」(長谷川)を持って戦ってきた選手たちが勝ち取った栄冠。過去3度の全国大会出場ではいずれも初戦敗退に終わっているだけに「まずは1勝」を目指し、日常からの努力を継続する。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2018

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