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[MOM2713]国士舘GK小松直登(3年)_殊勲のPKセーブ!偶然発見した「YouTube」での分析が大当たり!

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後半22分、国士舘高GK小松直登がPKをストップ

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.17 選手権東京都Aブロック予選決勝 大成高 0-1 国士舘高 駒沢陸上競技場]

 後半22分に殊勲のPKセーブ。国士舘高GK小松直登(3年)のビッグセーブをもたらしたのは、動画共有サイト「YouTube」での“スカウティング”だった。

 1-0とリードし、15年ぶりの優勝へ近づいていた国士舘はDFのファウルによって痛恨のPK献上。だが、小松は落ち着いていた。タイミングを図って、決めていた右方向へ跳躍してシュートセーブ。こぼれ球を相手選手に詰められていたが、それも足に当ててチームの大ピンチを救った。

 小松は決勝戦前、たまたま見ていた「YouTube」でPK戦にもつれ込んだ今大会準々決勝、大成高対東京実高戦の動画を発見。そのPK戦を見ると、大成のキッカーが全てGKから見て右の方向にキックしていたのだという。「(今回も)そっちかな」と決断した小松は、右へ跳んで見事にシュートストップ。東工大附高との2次予選1回戦のPK戦で3人中2人を止め、かえつ有明高との試合中のPKも止めていた“PKストッパー”が、「YouTube」の力も借りて再び大仕事をしてのけた。

 信頼にも応える完封勝利だった。小松は東工大附戦後に脳震盪と診断され、多摩大目黒高との2次予選2回戦を欠場。小松の代役として先発出場したGK山田大晴(3年)がファインセーブを連発し、インターハイ4強の相手を2-0で破る原動力になった。

 小松は「(山田が)全部止めて、周りから見ている人も『オマエ、もういらないんじゃない』と言われたし、自分でもそう思いました(微笑)。(活躍は嬉しいけれども)“やりすぎだな”と」と本音を明かす。

 それでも、ライバルに負けないように、復帰後のトレーニングを全力でやり続けた。そして、「(2人のGKは)甲乙つけがたい」と語る上野晃慈監督は小松のリーグ戦での経験値を期待し、続く準々決勝以降の全3試合で先発起用。「(自分が欠場した試合を)みんなが繋いでくれたので、練習から100でやって、みんなに恩返しできるようにとやっています」という小松は、決勝を無失点で終えるなど、チームを優勝に導く活躍をしてのけた。

 これから、全国大会へ向けた競争が再スタートする。まずはそれを勝ち抜くことに集中。そして、小松は「国士舘は全国大会でまだ1回も勝っていないみたいなので、歴史を塗り替えたい。今までにないことをやりたい」。19日に決まる全国大会初戦の対戦相手をまたしっかり分析し、全国初勝利を成し遂げる。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2018

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