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[MOM2716]一条DF酒本哲太(3年)_怪我を乗り越えてV弾!攻守で躍動した主将が全国導く

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決勝点を挙げた酒本哲太

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.17 選手権奈良県予選決勝 一条高1-0奈良育英高 橿原陸上]

 11日の五條高との準決勝で一条高のDF酒本哲太(3年)は足首を傷めた。腫れもひどく、決勝に出られないかもしれないという不安もよぎった。「でも、病院の先生は『決勝までに、必ず良い状態にするから』と言ってくれて。心強かった」。その言葉を信じ、3日間は焦る気持ちを感じながらも練習に参加せず静養。決勝の2日前に、ようやく練習に参加した。

「トレーナーの方や病院の先生のおかげで腫れもおさまり、決勝戦を全力で戦い抜くことができた」と本人が振り返った通り、前田久監督も「コンディションとしては万全ではなかったと思うが、本調子でしっかりプレーしてくれていた」と評価。奈良育英高に攻め込まれる苦しい時間帯には守備の要として体を張って失点をしのぎ、「それだけでなく、決勝ゴールまで決めてくれた」(前田監督)。

 決勝点となったヘディングシュートは、「2年生までは得意だと思っていたけれど、3年生になってからはうまくいかないことが多かった」。直近はいつ決めたのか、「すぐに思い出せない」くらい得点から遠のいていた。しかし「持ち前の勝負強さや気持ちの強さ」(前田監督)から、MF石川航大(3年)がCKから蹴ったボールにしっかりと頭を合わせ、ゴールネットを揺らして見せた。後半に一条が得たCKは、この1度きり。文字通り、貴重なワンチャンスだった。

 試合後、酒本は「今日の僕たちのサッカーは、周りから見れば、憧れてもらえるようなかっこいいサッカーではなかったかもしれない。けれど、僕たちは僕たちなりに、たとえ全国の舞台で相手との能力の差が出てしまったとしても、みんなでカバーし合い、泥臭くても最後まで諦めずに戦い抜いて、勝利することを目指したい」と力強く目標を語った。

 前田監督は課題の1つに「守備の連携」を挙げていたが、そのキーマンとなるのも酒本。「プレーで引っ張るだけでなく、キャプテンとしてのリーダーシップをさらに示す姿がこれから見たい」と指揮官の期待も高まるばかりだ。

(取材・文 前田カオリ)
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