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覚悟持って戦う駒澤大高FW羽鳥が献身的に走り、待望のゴールで流れ引き寄せる

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駒澤大高FW羽鳥陽祐は先制点を決めた

[11.17 選手権東京都Bブロック予選決勝 帝京高 1-2 駒澤大高 駒沢陸]

 歓喜の優勝から約1時間半後、取材陣の要請で輪から離れたFWの背中に仲間たちから「今度はしっかりしゃべれよ」という言葉が飛んでいた。駒澤大高FW羽鳥陽祐(3年)は前半7分に頭で貴重な先制ゴール。試合直後にはピッチサイドでテレビ局のヒーローインタビューを受けていたが、チームメートたちはその「しゃべり」不満だったようだ。

「初めてだったので緊張しました」と微笑んだFWは、今度は時間を掛けながら自分の思いを口にしていた。ゴール前で味方のシュートがポスト、クロスバーを叩いた後に押し込んだ先制点については「中央らへんにポジション取ったので、来たら動けるように準備していました。あれはみんなで押し込んだみたいなゴール。気持ちで押し込みました」と仲間たちとともに決めたゴールであることを強調。「みんなで奪った」1点が流れを駒大高に大きく傾けた。

 ただし、自分がゴールを決めたいという思いも強かったようだ。「獲りたかったです。FWなのにこれまで1点も獲れていなくて、仕事していないので決勝くらいは点獲って終わりたいと昨日の夜もイメージして……やっと点獲れたので良かったです」。CB、ボランチも務めてきた万能型が、FWとして出した結果。そして、前線で懸命に走り続けていた羽鳥を大野祥司監督も認め、フル出場させた。

 本格的にサッカーをするのは、「自分の夢」という高校までと決めている。だからこそ、覚悟を決めて臨んでいる毎日。結果を残したことに満足するつもりはもちろん、ない。「全国で見ても自分は全然レベルが低い方なので、チャレンジャー精神をもってしっかり準備して頑張りたい」という羽鳥が全国でもチームのために献身的に走り、ゴールを奪う。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2018

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