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勝利への執念がぶつかり合った好ゲーム!PK戦を制した和歌山北が2年ぶりの全国へ:和歌山

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和歌山北が激闘を制した

[11.18 選手権和歌山県予選決勝 初芝橋本高2-2(PK1-4)和歌山北高 紀三井寺]

 18日、紀三井寺公園陸上競技場で第97回全国高校サッカー選手権和歌山大会の決勝が行われた。2連覇を狙う初芝橋本高と、2年ぶりの優勝を目指す和歌山北高が対戦。両チームともに決勝までの3試合で合計14得点を挙げ、無失点のまま勝ち上がってきた。互いに勝利への執念と球際の強さ、攻守の切り替えの速さを見せ合ったゲームは、2-2でPK戦に突入。2本セーブした和歌山北がPK4-1で11回目の選手権出場を勝ち取った。

 和歌山北は、中村大吾監督が「相手選手1人に対して、2人でいく状態を常に作る」よう積み重ねてきた戦い方を前半から披露。初芝橋本の縦に入ってくる速さに対し、1人の選手が抑えに行くだけでなく、2人目の選手がカバーリングや挟み込みに行ったり、パスコースを消すポジションを取らせたりして連動性でカバーした。さらに「2人目の動きに合わせて他の選手もバランスをとるよう、試合中に何度も声をかけ」、守備のバランスを崩すことなく、前半は初芝橋本に1本のシュートも撃たせなかった。

 また、和歌山北は初芝橋本が素早くセカンドボールを拾いにくることに対しても、そのボールの移動中に中盤の選手たちをセカンドが拾える位置に移動させ、自分たちが回収。合言葉の1つにしていた「0秒切り替え」でスピーディーにアタッキングサードまでボールを繋ぎ、前半32分にFW楠見歩希(3年)がこぼれ球から先制点を奪った。

 しかし、後半に入って和歌山北のリズムが崩れた。ハーフタイム中に「ファイトする姿勢が見られない」と、阪中義博監督に喝を入れられた初芝橋本が立ち上がりから執念深くボールを奪いにいった。すると5分、ボール奪取からFW岡村修哉(3年)が左サイドを突破し、FW小川諒悟(3年)がゴールを奪い、初芝橋本が1-1と同点に追いついた。

 後半24分には初芝橋本の1人が退場になっていたが、「攻守ともに10名になったことを感じさせず、前にどんどん攻めてくる。ゴールを奪われた後は相手の勢いが増していたので、受け身になってしまった部分はあったと思う。“2対1の状況を作る”というところへ戻るのに時間がかかった」(和歌山北・中村監督)。80分間で勝負がつかず、1-1のまま10分ハーフの延長戦にもつれ込んだ。

 延長戦に入り、和歌山北は「攻撃的な選手を一気に3人投入し、得点を狙いにいった」(中村監督)ものの、先にゴールを奪ったのは「前にきたところを狙って、岡村を中心に速攻を仕掛ける」(阪中監督)算段だった初芝橋本。延長前半アディショナルタイム2分、今大会でこれまで出場がなかったMF名願央希(2年)がゴールを挙げ、逆転に成功した。

 しかし延長後半10分、初芝橋本の「このまま1点を守りきれば、という気持ちがよぎったのだと思う。ディフェンスラインがズルズルと下がってしまった」(阪中監督)状態からスペースが生まれ、和歌山北FW桂梨恩(3年)が勝利への執念を感じさせる強いシュートを決めた。試合は再び同点となり、PK戦で決着をつけることとなった。

 PK戦では「自信があった」という191cmの和歌山北GK得津颯志(3年)が、1本目と2本目をセーブ。「試合では役に立てなかったので、ここは必ずチームに貢献したい」という想いをプレーで見事に示して見せた。得津の活躍により和歌山北がPK4-1で勝利し、全国行きを決めた。

 試合後、「スタンドで応援してくれていた部員も含め、いろんな人たちの想いが勝利に繋がった」と感謝の気持ちを表した和歌山北の中村監督。最後まで諦めずに戦った選手たちについても、「元から技術の低い選手ではなかったが、夏を過ぎてからは動きのぎこちなさもなくなり、チームのかたちができた。1年を通じてよく成長してくれたと思う」と、その健闘を讃えた。

 和歌山北は、去年の6月にサッカー部専用の人工芝グラウンドが完成している。「ナイター設備もあって、サッカー部だけでずっと全面を使用できる。常にベストな環境で練習することができたことが、彼らの成長に大きな影響を及ぼしたと思う。いろんなプラスの要因があって今回の結果に繋がった」と振り返った。

 接戦を制して全国への出場権を得た和歌山北だが、この決勝を経て課題も見つかった。「2失点し、守備の連携はまだまだ改善しなければならないと感じた。攻撃面でもラストパスとシュートの角度や動き出しはさらに良いかたちが作れるのではないか」と考えている。「しっかりと準備をし、和歌山県代表として全国の舞台でも自分たちが積み重ねてきたサッカーをしっかり披露したい」と指揮官は力強く意気込んだ。

(取材・文 前田カオリ)
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