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[MOM576]静岡産業大FW遠山拓民(4年)_「どんなゴールでも…」2年間不発のエースが全4得点に絡む大暴れ

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全4得点を導いた静岡産業大FW遠山拓民

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ supported by KIRIN]
[12.12 インカレ1回戦 静岡産業大4-0松山大 熊谷陸]

 静岡産業大の4得点はすべてエースの右足から生まれた。FW遠山拓民(4年=甲府U-18)は「大学生活の集大成」として臨むインカレ1回戦、まずは得意のセットプレーで2ゴールを導くと、終盤には自らのシュートで2得点を記録。過去2大会は無得点に終わっていたが、指揮官からのプレッシャーも見事に跳ね除けた。

 静岡産業大は3年連続でのインカレ出場。下級生にして主力を担ってきたストライカーにとっても3度目の大舞台となった。過去2大会ではいずれも初戦突破を果たしたが、自身はどちらもノーゴール。「点を取れていなかったので、どんなゴールでも良いと思っていた」と並ならぬ決意で大会に臨んだ。

 ところが1回戦、15年ぶり出場権の松山大が相手だったが、立ち上がりからボール保持はできるものの、攻守で相手にペースを握られる。「固い守りに攻撃がうまく行かず、後ろと前で距離感が悪くなった」。自身も中盤で孤立する時間帯が続き、得意のシュートも単発に終わっていた。

 だが、うまくいかないならいかないなりに、エースとしての働きは見事にやり切った。劣勢だった前半42分、ゴール左斜め前からのFKを力強く蹴り込むと、相手のクリアボールがPA内右へ。これをDF原田大雅(4年=第一学院高)が拾って素早くクロスを送り、MF山本拳士(4年=甲府U-18)のゴールが生まれた。

「セットプレーは練習していたので鍵になる。ヘディングが強い選手は多いので、東海リーグから自信を持っていた」。そう語った背番号10はさらに後半16分、今度はゴール右斜め前の位置でFKを獲得。1本目とは異なる鋭いボールで壁の間を射抜くと、またもこぼれ球からMF井上諒(4年=静岡学園高)が流し込んだ。

 2点を導いたことで肩の荷が下りたか、ここからは「持ち味はフィニッシュ」という武器が牙をむいた。後半20分、まずは左サイドからの折り返しを冷静なダイレクトシュートで流し込むと、同32分にはセットプレーのこぼれ球に反応してプッシュ。待望の全国初ゴールを皮切りに、シュート2本で2点を積み重ねた。

 試合後、成嶋徹監督は「彼は全国で点を取ったことがないので、試合前からプレッシャーをかけていた。取ってくれて良かった」と冗談交じりに明かした。その一方で「1.5列目の位置でタメも作れるし、パス出しもできて、フィニッシュもできる選手」とあらためて信頼を口にしていた。

 2回戦の相手は大阪体育大。大学屈指のDF菊池流帆(山口内定)を擁する守備陣が強固だが、「練習会で会った時にいい選手だと思ったので、マッチアップでは負けたくない」と闘志を隠さず。過去2年間は2回戦敗退のため、これが“3度目の正直”。「関西、関東のチームは強いと言われているが、試合前から勝ち気でいきたい」と真っ向から強敵を乗り越えていく構えだ。

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(取材・文 竹内達也)

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