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[MOM2742]大津FW大崎舜(3年)_カヌ参考に進化する大型FWが2発!

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後半9分、大津高FW大崎舜が右足で決勝ゴール

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.16 プレミアリーグプレーオフ2回戦 矢板中央高 1-3 大津高 広島スタ]
 
 188cmの大型ストライカーが、プレミア昇格を懸けた“決勝戦”で大仕事をしてのけた。大津高はFW大崎舜(3年)が2得点の活躍。「いつも(10番のMF水野)雄太が決めているんで、自分が決められて良かったです。きょうは絶対にゴール獲ると力強く入ったので本当に決められて良かったです」と素直にゴールと活躍を喜んだ。

 サイズとスピードを併せ持つ大型FWは、前半から前線で攻撃の起点に。矢板中央高を押し込む力になると、後半9分にはカウンターのフィニッシャーとして右足でゴールを決めた。

 スピードに乗ったドリブルでMF水野雄太(3年)が左サイドを駆け上がり、ラストパスを受けた大崎が右足ダイレクトでコントロールショットをゴール右隅に沈めた。「雄太がしっかり引きつけてくれましたし、いつも『ダイレクトで打て』と言われている。しっかりとコースを突けて良かったです」。ファインゴールを決めた大崎はその後もカウンターからPAへ持ち込むなど相手の脅威となった。

 そして、矢板中央の反撃を凌ぎながら迎えた後半44分、大崎が勝負の行方を決定づけるゴール。右SB岩本侑大(3年)のクロスを右足ボレーで合わせると、クロスバーの下側を叩いたボールはそのままゴールラインを越えた。

「ちょっと後ろに来て難しかったんですけれども、しっかりと当てることができた。あまり入ると思わなかったんですけれども、決められて良かった」。本人も驚いていたように、ボールはゴール前で構えていた大崎のやや後方に飛んできていた。だが、長い脚を上手く折り曲げながら放った一撃で2点目。本人も守備陣の奮闘に応えられたことを喜んでいた。

 下級生時からその素材感を注目されてきたFWに対し、平岡和徳総監督は元ナイジェリア代表の2m級FWヌワンコ・カヌの映像を見させていたのだという。カヌは1996年のアトランタ五輪でナイジェリアに金メダルをもたらした名選手。2000年生まれの大崎はそれまでカヌの存在を知らなかったという。それでも、学力も高いという大崎は自身の体型に似たカヌのスケール大きなプレーを記憶し、実践することでできることを増やしてきた。

 長身を活かしたキープやゴール前でのターン。そして、クロスやロングボールに対し、DFよりも先にボールを触れるようになり、そのスピードはチームの得点源の一つになっている。自身も成長を実感。高校から直接プロ入りすることはできなかったが、大学サッカーを経てプロ入りすることが目標だ。

「自分たちの年代でプロになる人と比べるとまだ何か足りない。守備の面とかもうちょっとボールを収められたらプロに近づけると思います」とコメント。できることが増えるにつれて、より楽しみながらプレーできているという大崎が、12月30日開幕の選手権でも才能を発揮する。

(取材・文 吉田太郎)
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