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[MOM2754]那覇西GK新垣凱斗(2年)_ 決められ続けても前向きに「止めたらヒーロー」。PK戦11人目で決着つける

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PK戦11人目、那覇西高GK新垣凱斗が足でシュートストップ。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.30 選手権1回戦 駒澤大高 1-1(PK9-10)那覇西高 駒沢陸]

 PK戦では2人目から10人目まで9人連続で決められた。読みはことごとく外れ、ゴールへ吸い込まれていくシュート。GKにとってはメンタル的に折れかけてもおかしくないような状況だったが、那覇西高GK新垣凱斗(2年)は前向きだった。

「次もGKできるという楽しみと喜びが結構大きくて、『これで自分が止めたらヒーローだ』という気持ちでやっていました」。何人目まで行っても、1本止めれば自分がヒーロー。その前向きなメンタリティーが実ったのが11人目だった。

 駒澤大高の11人目、GK宮崎雅崇(3年)が自信を持って真ん中へシュートを蹴り込む。新垣の身体は右へ流れていたが、残った足で見事にストップ。重い空気を振り払ったGKは直後、キッカーとしてPKスポットに立ち、右足シュートをゴールに叩き込んだ。

 勝利が決まると一直線で味方応援席へ。地元・駒澤大高の大応援団相手に声を張り上げ続けてくれた仲間たちとともに喜びを分かち合いたかった。「あの倍以上相手がいる中でも、那覇西の応援団の声がとても聞こえて緊張がほぐれて試合に臨むことができました。初めてあんな(1万人以上の観衆)雰囲気の中でやったので緊張したんですけれども、あの声が大きかった」。緊張せずに試合に臨み、ビッグセーブでチームを救った守護神は仲間や支えてくれて人たちに感謝していた。

 PKセーブ以上に大きかったのが、後半40分のビッグセーブだった。右クロスのこぼれ球からMF涌井蓮(3年)が強烈な右足シュートを放った。枠を捉えていたが、新垣は自身の左上に飛んできたボールを右手で弾くと、ボールはポストを叩き、DFがクリア。この好守の他にも新垣はロングボールやロングスローの多い相手に対して安定したプレーを見せていた。

 新垣は元々アンカーなどを務めるフィールドプレーヤー。小学生時代は身体が大きかったという理由でPK戦の際にだけGKを務め、中学2年時にはチームの1つ上の代にGKが少なかったことから県トレセンのコーチを務める父・泰司さんの勧めでGKを専門にやっていたという。中学3年時には再びMFとしてプレーしていたが、那覇西にはGKとして入学し、挑戦。高さ、飛距離の出るキック、そしてフィールドプレーヤーの時からチームを動かす声を特長としていた新垣は、いきなり先発に抜擢されるなど、挑戦したポジションで経験を積みながら成長してきた。

 本人は「GK練習が思ったよりもキツくて、こんなに激しいのかと思っていました。1年の時はついていくのが大変だった」と振り返る。それでもセービングやポジショニングなど一つ一つの課題を練習で改善。後半終了間際のシュートはこれまでだったら止められなかったようなシュートだったという。ビッグセーブを本人も喜んでいたが、週1回、FC琉球のGK積田景介によるGKスクールにも参加するなど地道に力を磨いてきた成果を全国舞台で発揮した。

 父の母校でもある那覇西でプレーすることを目指し、その高校を勝利に導いた守護神。「(前回初戦突破した5年前の)ベスト16越えて、沖縄県勢2回目のベスト8に。そして、そこを越えていきたい」。劇的な勝利に貢献したGKは大舞台で経験を重ねながら、より多くの白星をチームにもたらす。

(取材・文 吉田太郎)

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