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青森山田、大津に完勝で2大会ぶり8強入り!! 指揮官が評価するの9人で9得点の攻撃陣よりも…

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準々決勝に駒を進めた青森山田高(青森)(写真協力・高校サッカー年鑑)

[1.3 選手権3回戦 青森山田高3-0大津高 等々力]

 第97回全国高校サッカー選手権3回戦が3日、各地で行われ、等々力陸上競技場では22年連続24回目の出場となる青森山田高(青森)と3年ぶり17回目の出場となる大津高(熊本)が対戦。前半だけで2点のリードを奪った青森山田が後半も1点を加点して3-0の勝利を収めた。全国制覇した95回大会以来、2大会ぶりのベスト8進出を決めた青森山田は、5日の準々決勝で矢板中央高(栃木)と対戦する。

 序盤から攻勢を掛けたのは、前日の2回戦・草津東戦で6-0の快勝を収めて勢いに乗る青森山田だった。前半4分、左サイドのMF檀崎竜孔(3年)が送ったグラウンダーのクロスからMFバスケス・バイロン(3年)が決定機を迎えるも、左足から放ったシュートはゴール右に外れてしまう。その後も幾度となくゴールを脅かすが、同8分にバイロンが右サイドから切れ込んで放った強烈な左足シュートがポストを叩き、同10分にはDF三國ケネディエブス(3年)が落としたボールに反応したMF武田英寿(2年)のシュートはGK松村龍之介(3年)の守備範囲に飛んでしまった。

「立て続けに2、3本決定機がありながら、外したのがどうなるか。雲行きが怪しいなという感じて見ていた」と黒田剛監督は振り返ったが、同19分に嫌な流れを断ち切るゴールが生まれる。武田が蹴り出したFKに反応したFW佐々木銀士(3年)が巧みにヘディングで合わせてネットを揺らし、青森山田が先制に成功した。

 1点のビハインドを背負った大津は最前線のFW大崎舜(3年)とFW奥原零偉(3年)までボールを届けられずになかなか攻撃の形を作れず。すると同23分、MF天笠泰輝(3年)の浮き球のパスから抜け出した檀崎がPA内でDF岩本侑大(3年)をかわすと、右足のシュートでゴールを陥れて青森山田がリードを2点差に広げた。

 2-0と青森山田がリードしたまま前半を終えると、黒田監督は「後半はゼロでいける時間を何分までもっていけるか。まずは2点差で最低20分間は我慢しよう」と後半のピッチに送り込む。後半3分には大津がフィニッシュまで持ち込み、MF福島隼斗(3年)の縦パスを受けた大崎が右にはたき、奥原が右足シュートを放ったもののボールはGK飯田雅浩(3年)の守備範囲に飛んでしまう。

 すると、後半27分に右サイドを切り裂いたバイロンの折り返しの流れから、最後はDF藤原優大(1年)が蹴り込み、青森山田に3点目が生まれる。その後も大津の反撃を許さずに逃げ切った青森山田が、3-0の完封勝利で準々決勝へと駒を進めた。

 初戦となった2回戦は6人で6得点(天笠、武田、橋本、武、小松、バイロン)、そして3回戦では3人で3得点(佐々木、檀崎、藤原)。2試合合計9得点、得点者が全員違うという攻撃陣が好調だが、指揮官は「我々は得点力というより、守備からきちっと攻撃することをプレミアリーグでもやってきた。1年間通じてやってきたことを『やり通す』『やり切ろう』ということができた」と2試合連続完封を演じた守備をより評価した。

(取材・文 折戸岳彦)
●【特設】高校選手権2018

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