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[新人戦]2日続けて大番狂わせ!!神戸市リーグ所属の神戸星城がプリンス勢の神戸弘陵撃破し、初の兵庫4強へ!!

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神戸星城高が初の兵庫準決勝へ

[1.27 兵庫県高校新人大会準々決勝 神戸弘陵高 1-1(PK2-4)神戸星城高 三田西陵高G]

 平成30年度兵庫県高校サッカー新人大会の準々決勝が27日に行われ、前年王者の神戸弘陵高と神戸星城高が対戦。両者譲らず、1-1でPK戦までもつれた一戦は神戸星城が4-2で勝利し、初の県大会ベスト4進出を手にした。
 
 兵庫県1部、2部リーグの下位リーグに当たる神戸市リーグに所属する神戸星城が、前日に行われた3回戦の報徳学園高(県1部リーグ)戦勝利に続き、プリンスリーグ関西に所属する神戸弘陵も撃破。2日続けて大番狂わせを起こした選手は試合後、喜びを爆発させた。

 勝利を掴んだものの、序盤から神戸弘陵と個の力の差は歴然だった。前半7分にCKからDF藤井龍馬(1年)にクロスバー直撃のヘディングシュートを許すなど、序盤から神戸弘陵に押し込まれる場面が続いたが、苦戦するのは想定内。柏木祐介監督はこう明かす。「うちは個々の能力がそんなに高くない。弘陵さんの方が上なので、最低限やるべきことはしっかりやろうぜと選手には伝えていた」。

 持てる力を振り絞った神戸星城の奮闘は目を見張るほどで、前半12分には神戸弘陵FW浜村玲(2年)にGKとの1対1を作られたが、GKの横を抜けて無人のゴールに転がったシュートを懸命に戻ったDF若尾迪人(2年)がスライディングでクリア。以降もGK上田翔大(1年)のガッツ溢れるセービングや、DF松本賢士(2年)ら守備陣が身体を張った守りを続けてピンチを凌いだ。それでも、35分にはPA手前でFKを与えると、神戸弘陵MF濱本直大(2年)のキックが壁に当たりながら、ゴールネットに吸い込まれ、1点ビハインドで前半を終えた。

 身を粉にして守備に奔走した前半の疲労もあり、後半は神戸星城の運動量が低下。6分には、神戸弘陵MF中村輝龍(1年)のスルーパスから浜村にゴール前を抜け出された。だが、懸命に戻ったDFがブロック。以降も、「自分が良いプレーするのはもちろんだけど、チームのためにやろうと全員で意識していた」(MF福西駿也、2年)選手たちは、最後の局面で身体を張り続け、2点目を与えない。

 後半25分には守備で奮闘を続けた神戸星城にもチャンスが訪れる。カウンターから相手エリア右でFKを獲得すると、ゴール前に入ったボールがPA内で混戦となり、相手のハンドを誘発。このチャンスをMF山本亮太(2年)が決めて同点に追いつくと、後半終了間際にはPK戦に備えて、GK川畑政(2年)を投入する。

 迎えたPK戦では、「練習の時から『PKになったらお前で行くぞ』と話はしていた。前日も2本止めてくれたので、自信を持っていたと思し、勝てると思っていた」という指揮官の期待に応え、川畑が活躍。相手3人目のキックを足で止めると、続く4人目は読みを的中させ、4-2で試合を終えた。試合後、柏木監督は「1人抜かれても誰かがカバーする。2人目が抜かれてGKが出た後もカバーする。誰かを助けてやるという気持ちがこいつらの良い部分。止める・蹴るの部分ではなく、負けん気で相手を上回ることができた」と勝因と話した。

 神戸星城は滝川二高でDFとして活躍した柏木監督の下、2014年から強化がスタート。中学年代に埋もれていた選手の中から特徴を持った選手を発掘し、地道に強化に励んできた。それでも、昨年は県2部リーグへの参入戦に敗れるなど結果からは見放されていただけに今回の勝利は喜びも一入(ひとしお)。柏木監督は「勝ち上がる度に自信をつけて、惜しいゲームではなく勝ってやるという気持ちを見せてくれた。これまで公式戦で結果が出てこなかったので、ベスト4という結果は自信になる」と口にする。

 試合後は涙を流して喜ぶ選手がいるなど、優勝したかのような喜びを見せていたが、躍進を4強で終わらせるつもりはない。「ここまで来たら優勝を狙いたい。勝ってきたチームの想いも背負って、残り2試合に挑みたい」と意気込む福西を筆頭に全員で更なる上を目指す。

(取材・文 森田将義)

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