beacon

[新人戦]自慢の攻撃力が最終盤に爆発!三重に逆転勝ちの海星が連覇に王手!

このエントリーをはてなブックマークに追加

後半アディショナルタイム、海星高FW矢田涼斗が決勝ゴール

[2.2 三重県高校新人大会準決勝 三重高 1-2 海星高 四日市中央工高G]

 平成30年度三重県高校サッカー新人大会の準決勝が2日に行われ、三重高海星高が対戦。試合終了間際の2ゴールによって海星が2-1で勝利し、3日に行われる決勝へと駒を進めた。

 初の全国出場を果たした16年度選手権以来、2度目の晴れ舞台を目指す海星が今季の行方に期待を抱かせる試合内容を披露した。昨年は新人戦優勝、選手権予選準優勝と結果を残しながらも、タレント面では苦労し、理想通りのサッカーは出来なかったが、「能力が高い」と青柳隆監督が評する今年は手応え十分。三重に挑んだこの日も、立ち上がりからDF槙木健太(2年)とDF岡本睦規(2年)のCBコンビを中心に後ろでボールを動かしながら、積極的にFW矢田涼斗(2年)と假谷竜也(2年)の2トップに配球し、見せ場を作った。

 前半5分には中盤でのパス回しから、矢田が右サイドを抜け出しシュート。ゴール前にこぼれたボールを假谷が押し込もうとしたが、右ポストに嫌われた。15分にも2トップの連携で相手を崩し、シュートまで持ち込んだがゴールネットを揺らせない。以降も再三、決定機を作ったが、歓喜の瞬間は訪れず、青柳監督が「前半のうちに得点が欲しかったけど、いつも通り外してしまった」と苦笑いする展開となった。

 対する三重が前半に放ったシュートはわずか1本。「先週の試合も、先々週の試合も前半に流れを作れなくて、ハーフタイムからやっと自分たちの流れを作ろうとトライしていた」(徳地俊彦監督)これまでの試合と同様に、後半からは攻撃を軌道修正。MF高橋凱(2年)と浅野響(2年)を中心としたパスワークでマイボールの時間を増やしながら、積極的にアタッカー陣が海星DFの背後を狙った。後半17分にその策が見事にハマる。FW大林颯士(2年)のパスからPAへ抜け出したFW久保田優志(2年)が倒されてPKを獲得すると、浅野が落ち着いて決めて、三重が先制した。

 追い掛ける展開を強いられた海星だが、「このチームは、1点は必ず決められるので、大丈夫だろうと思っていた。練習試合でも逆転勝ちできていたので、勝てるイメージはあった」(岡本)。失点後に再び攻撃のギアを入れた海星は、34分に自陣左でボールを持った假谷が中盤にパスを展開。受けたMF深川透亜(2年)が素早くゴール前にスルーパスを送ると、最後は途中出場MF長嶋叶翔(1年)が切り返しでマークをかわして同点弾を決めた。

 直後の35+2分には左サイドを仕掛けたMF清水俊樹(2年)のパスから、假谷がシュートを放つ。GKが弾いた所を「左サイドの俊樹が切り込んで中に入れるのはいつもの形。ゴール前に来ると信じていた」と振り返る矢田が押し込み、直後にタイムアップ。連覇を狙う海星が劇的な逆転勝利を果たした。

 今年の代は、「全国を決めた試合を観て海星を選んだ」と話す矢田を筆頭に選手権に出場した先輩たちに憧れ、海星の門を叩いた選手が多い。実力者が数多く集う中でも、攻撃陣の質は頭一つ抜けており、主将の岡本が「前に良い選手が揃っていて、自由にさせたら県内で一番だと思う」と評するほど。海星らしいパスサッカーで、らしさを出せれば県の頂点も夢ではない。選手も自信十分で、矢田は「チャレンジャーとしての気持ちを忘れず、普段の海星を出せれば負ける相手ではないと思う」と四中工と対戦する決勝戦への意気込みを口にした。

(取材・文 森田将義)

TOP