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最大の目標はクラスメートの逸材GK。鹿島学園の注目GK中島「自分も負けないように」

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鹿島学園高のGK中島遼太郎は目標のクラスメートに追いつき、追い越すことを目指す

 茨城の名門、鹿島学園高のGK中島遼太郎(2年)は昨年の選手権予選決勝でファインセーブを連発。この試合を0-1で落とすなど昨年は全国に出場することができなかったが、今年の飛躍が期待される注目守護神だ。

 1月に開催された県新人戦では早速優勝に貢献。2月のスペイン遠征では業務提携しているビジャレアルのアカデミーチームに連敗したが、その中でビルドアップの部分に積極的に挑戦し、強みであるセービング力も発揮したという。今年の高体連では関東屈指とも言える実力の持ち主。その注目GKの最大の目標は、鹿島学園の同じクラスにいる。

「自分、同じクラスにアントラーズの山田大樹がいて、国体選抜とかでも一緒に山田とは練習などをさせてもらってきました。彼は(今年開催される)U-17のワールドカップとかも多分行くだろうし、自分もそういうレベルを目指すために全国トップレベルのGKになりたい」

 クラスメートの名は、昨年のプレミアリーグEAST王者・鹿島アントラーズユースのGK山田大樹(2年)だ。昨年のAFC U-16選手権ではU-16日本代表の守護神としてアジア制覇に大きく貢献。190cmの大型GKは、すでにトップチームの練習にも参加しているという逸材だ。中島は17年に国体茨城県選抜で山田とともにプレー。国体で正守護神を務めた山田の凄さを中島は近くで見て、感じ取っていた。

「彼は身長190cmくらいあって、技術的な差やGKとしての引き出しが多い。そして、大舞台に強いメンタル的な部分とか1年の時は差を感じて、2年になって一緒にやる機会はなかったんですけれどもプレミアの試合とか見ていると成長しているし、自分も負けないようにやっていきたいと思います。あっちはどう思っているか分からないですけれども、自分は意識しています。自分の中で彼は一つの目標だと思っています」

 昨年、鹿島学園で公式戦の経験を積んだ中島は、1対1やシュートストップの部分などで自身の成長を感じている。それでもより成長するために、目標の山田に近づくために普段から、色々な質問を山田に投げかけているのだという。彼のGKとしての考え方、普段鹿島ではどのような練習をしているのか、彼が一緒に練習している鹿島GKクォン・スンテの凄さは何か……。年代別日本代表チームや鹿島トップチームの練習に参加することも多い山田は不在の日も多いようだが、中島は可能な限り学び、自分のプラスアルファにしようとしている。

 個人として感じているのはまだ、チームを勝たせるGKになることができていないということだ。好セーブを連発した選手権予選も勝負どころで失点。優勝した新人戦も準々決勝で1失点、決勝では前半にセットプレーから2失点している。

「そういうところでまだ自分は勝たせるGKじゃないと思っている。(無失点に抑えるためには)自分だけの力だけじゃないと思うので、DFラインと協力すること。そして、インターハイや選手権といった大舞台では、無失点という結果にこだわってやっていきたいと思っています」

 身近にいる目標に追いつくために、無駄にできる時間はない。今年、注目を浴びそうな中島だが、日常から学び、努力を続けて、いつか山田と同じステージで戦って勝つGKになる。

(取材・文 吉田太郎)

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