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待望2発の川崎Fダミアン、緊急出場の20歳を称える「まずは自分のゴールより…」

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リーグ初ゴールを含む2点を決めた川崎フロンターレFWレアンドロ・ダミアン

[3.10 J1第3節 横浜FM2-2川崎F 日産ス]

 鳴り物入りで加入したロンドン五輪得点王がついにJ1の舞台で目覚めた。川崎フロンターレFWレアンドロ・ダミアンはこの日、リーグ戦初ゴールを含む2得点をマーク。最後は相手の劇的な同点弾に屈したが、「アウェーで良いゲームができたと思う」と手応えを語った。

 2月16日のゼロックススーパー杯浦和戦(◯1-0)では鮮烈な国内デビューを飾ったが、リーグ戦が始まってからは沈黙。ここまで2試合に先発しながらもゴールは遠かった。しかし、経験豊富な29歳に気負いはなかった様子。「性格的に一喜一憂しないのでやるべきことを続ければ結果が出ると、どっしり構えていた」と振り返る。

 そんな落ち着いたメンタリティーはファーストゴールで証明してみせた。前半4分、緊急出場となった20歳MF田中碧のスルーパスに反応すると、GK飯倉大樹が飛び出してきたのに対して冷静にループシュート。「打つ前にGKが倒れたのが見えたので浮かす選択をした」とさすがの判断だった。

 さらに同点で迎えた後半43分、今度はFW小林悠の折り返しに反応し、土壇場での勝ち越しゴールを決めた。「タツヤがクロスを上げた時、ユウがヘディングで折り返しすのが分かっていた」。MF長谷川竜也のクロスがファーサイドに向かったことで、瞬時にポジションを取り直したセンスが光った。

 ここまでの3得点は豪快なボレー、裏抜けからのループ、ゴール前のワンタッチと多彩な得点パターン。点取り屋として総合力を感じさせる一方、周囲への感謝も忘れない。1点目に関しては「まずは自分のゴールより、アカデミーから上がってきた田中碧があれだけ良いプレーをしてくれた。良いパスをくれたし、彼の活躍が嬉しい」と名指しで称えていた。

 この日は川崎Fの代名詞とも言えるゴールパフォーマンスも披露し、アウェーゴール裏を埋め尽くしたサポーターの心もつかんだ。ダミアンによると1点目は父親に対する感謝のセレブレーション、2点目は格闘ゲーム『ストリートファイター』シリーズのエドモンド本田のポーズだったという。

「次も考えているけど、たくさんのゴールを決めて、たくさんのパフォーマンスができればできるほど、川崎フロンターレのためになる」。かつて母国が世界の頂点に立った横浜の地で決まった初ゴール。ようやく目覚めたサッカー王国出身のストライカーは、日本での華々しいキャリアをここから積み重ねていくつもりだ。

(取材・文 竹内達也)
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