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仲間たちが戦う姿見てスイッチ入れ直した高校選抜CB大石、悔しさ胸に全力で先発奪回へ

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CB大石悠介(山梨学院高→国士舘大)は悔しさを胸に日本高校選抜の先発奪回を果たす

 チームメートたちが戦う姿を見て、スイッチが入った。日本高校選抜は18日、デュッセルドルフ国際ユース大会開幕戦でボルシアMG(ドイツ)と対戦。後半終了間際にFW宮崎純真(山梨学院高→甲府)が劇的な決勝点を決めて2-1で競り勝った。

 出場機会の無かったCB大石悠介(山梨学院高→国士舘大)だが、翌日の彼は大いに刺激を受けていた。「昨日の試合を見ていてやっぱり出れないのって悔しいと思ったし、出ているのと出ていないのとでは経験値が違うとか、そういうことを昨日の夜に色々考えたりして『今日からまた頑張ろう』と思いました。今まで気持ちが入っていない訳ではないですけれども、もっと増やして頑張って行こうと思える、出ていなくても良い経験、気持ちを入れ替えるために良い試合だった」。期待のレフティーCBはここから気持ちをより込めて、スタメン奪回を目指していく。

 昨年、山梨学院のインターハイ初優勝に大きく貢献した大石は選手権予選で敗退したものの、実力を認められて憧れの日本高校選抜入り。空中戦や球際に強いストッパーは左足の展開力を備えていることもあって、チーム発足当初から直前合宿までレギュラーを務めてきた。

 だが、高校を卒業し、大学での新生活が始まったタイミングで慣れないこと、上手くいかないことが増えてサッカーにも影響を及ぼしてしまう。「この遠征は楽しみだった」という本人は変わらずにプレーしているつもりでも、持ち味のアグレッシブさがなかなか出て来なかったことでサブ組へ。デュッセルドルフ国際ユース大会開幕戦で自分のポジションにはそれまで左SBを務めていた豊島基矢(青森山田高→順天堂大)が入り、大石はピッチ外からチームメートたちに声がけする立場となった。

 だが、出れないからもうダメだと思うのではなく、仲間たちの戦う姿を素直に悔しいと思える自分がいた。勝利したことはもちろん嬉しかったが、やっぱりピッチで戦いたいと強く思った。メンタル面で落ちている印象を与えてしまっていたことからしっかりと切り替え、前向きな姿勢で戦うと決めた。

 ボルシアMG戦では豊島が球際の強さ、スピードを発揮するなど素晴らしい出来。だが大石は「基矢には無い良さが自分にはあると思う。練習でアピールしていきたい」と語り、トレーニング後の自主練ではヘディング練習や左足フィードを重ねてアピールしていた。

 ボルシアMG戦で決勝点を決めた宮崎には、山梨学院時代から常に刺激を受けている。「あれに追いつかないとプロになれない。ポジションは違えどあの能力の高さ、決定力、スピードに乗ったときのドリブルは高校から見ていて凄いなと思っていた。(ボルシアMG含めて)海外の選手で苦労するくらいなので、あれを止められないとプロにはなれない」。

 高校時代から山梨学院で一つ抜けた存在になっていたという宮崎は練習で止めることができなかった。その彼はインターハイでの大活躍がきっかけでプロ入りを果たし、すでにJリーグでベンチ入りを経験。ボルシアMG戦でも試合を勝たせるプレーをしてのけた。大石は現時点での彼との差にも悔しさを感じている。

 レギュラーだった高校時代から強豪・国士舘大では、また下から信頼を勝ち取っていかなければならない。今回、高校選抜の先発を外れたことで、出ていなくてもチームのために働くことや、感謝の気持ちを再確認できたことの意味は大きい。大学での先発獲得、先を行く元チームメートに追いつくこと…色々な挑戦へ気持ちを切り替えた注目CBが、まずはドイツでチャンスを掴み、自分の高さと強さ、フィード力を全力で出し切る。

(取材・文 吉田太郎)
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