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日本高校選抜は初の連覇成らず、MF天笠の左足弾で同点に追いつくもグループ3位で5位決定戦へ

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後半6分、日本高校選抜はMF天笠泰輝(青森山田高→関西大)が左足シュートを決めて1-1とする。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[4.21 デュッセルドルフ国際ユース大会 日本高校選抜 1-1 ブラガ]

 日本高校選抜は5位決定戦へ――。第57回デュッセルドルフ国際ユース大会は21日、予選リーグ最終戦を行い、日本高校選抜はブラガ(ポルトガル)と対戦。1-1で引き分けた。1勝2分1敗の日本高校選抜はグループ1で3位。準決勝進出を逃し、5位決定戦でエバートン(イングランド)と対戦することが決まった。

 日本高校選抜にとって初となるデュッセルドルフ国際ユース大会2連覇は成らなかった。準決勝進出のために勝ち点3が欲しかった予選リーグ最終戦。日本高校選抜は第3戦から先発2人を入れ替えた。今大会初出場となる右SB後藤裕二(矢板中央高→順天堂大)を先発に抜擢。MF鈴木唯人(市立船橋高3年)も初先発させた。

 4-3-3システムのGKが飯田雅浩(青森山田高→国士舘大)で4バックは右SB後藤、CB西田翔央(東福岡高→早稲田大)、CB豊島基矢(青森山田高→順天堂大)、左SB松尾勇佑(市立船橋高→関西大)。中盤は不動の岡井駿典(市立船橋高→中央大)、天笠泰輝(青森山田高→関西大)、秋山裕紀(前橋育英高→新潟)のトリオで、3トップはCF バスケス・バイロン(青森山田高→いわきFC)、シャドーの位置に宮崎純真(山梨学院高→甲府)と鈴木が入った。

 試合開始時の日本高校選抜の順位は、勝ち点4で並ぶフランクフルト(ドイツ)と得失点1差の3位。2時間後に予選リーグ最終戦を残すフランクフルトにプレッシャーをかけたかったが、立ち上がり6分にスローインからクロスを上げられて失点してしまう。

 出鼻をくじかれた格好となった日本高校選抜だが、慌てずに逆転を目指す。天笠と秋山、そして岡井が運動量多くボールに絡んでパスを繋ぐと9分、秋山が左サイドの松尾へ展開。今大会、切れのある動きを続けている松尾がカットインから放った右足シュートが右ポストをかすめた。

 ビルドアップの途中でミスが出て奪われるシーンもあった日本高校選抜だが、守備面ではCKから迎えたピンチをGK飯田の好セーブで凌ぎ、「出たら自分の長所の対人で負けない部分は出して、チームに貢献できたらなというのはあったので、そういうところでは守備の1対1はかなりできたかなと思います」と語る初先発・後藤が右サイドで対人の強さを発揮する。味方のミスを西田や豊島、岡井中心に全員でカバーして1点差のまま試合を進めた日本高校選抜は、後半6分に同点に追いついた。

 バイロンが右タッチライン際での縦突破でFKを獲得。すると、クイックリスタートでボールを受けた天笠が「(過去の)3試合見ても(相手DFは)カットインで出てこないんですよね。絶対に来ないなと思って1タッチで運んで上手く入った。(GKがニアサイドを消していたため)強いシュートよりも(ファーの)コースを狙えば入ると思った」と中央方向へカットインしてから左足を振り抜く。コントロールされた一撃はファーサイドのゴールネットを揺らして1-1となった。

 9分には、前半終了間際に気迫のプレーでピッチサイドの看板に身体を強打させていた豊島に代えてCB大石悠介(山梨学院高→国士舘大)を投入。引き分けでは敗退の決まるブラガはセットプレーの数を増やし、FKやCK、クロスでゴール前にボールを放り込んできた。先に相手に触られたり、ゴール前にボールがこぼれるシーンもあったが、日本高校選抜は集中力を切らさずにクリア。相手に2点目を許さない。

 日本高校選抜は敗れてグループ4位以下になると、22日の大会最終日に試合をすることができなくなる。ブラガと引き分ければ、3位以内と最終日に最低1試合を行うことが決定。その上で他力ながらも予選リーグ2位と準決勝進出の可能性を残すことができる。それだけに、まずは失点しないことを最優先。相手の攻撃をシンプルに跳ね返すことを徹底し、そして、前がかりになって勝ち越し点を狙いに来ていたブラガの背後をバイロン、宮崎、鈴木の3トップが突いた。

 25分ハーフゲームの後半23分には、抜群の推進力で左サイドを突破した宮崎が一気にDF2人を振り切り、ゴール前まで持ち込んで右足シュート。だが、シュートはGKのビッグセーブに阻まれ、こぼれ球を詰めたバイロン、鈴木のシュートもGKとDFに当たり、ゴールを外れてしまう。

 日本高校選抜は25分にも右中間から中へ切れ込んだ鈴木の左足シュートが右ポストを叩く。さらに27分には、右サイドから持ち上がった後藤のスルーパスで秋山が抜け出す。だが、右足シュートは再びGKのファインセーブに阻まれ、1-1で試合終了。したたかに勝利を目指した日本高校選抜だったが、グループ内のライバルに十分なプレッシャーを与えることはできず。フランクフルトがブレーメン(ドイツ)との最終戦を1-0で制したことによってグループ3位、5位決定戦進出となった。

 22日のエバートン戦が19年日本高校選抜にとっての最終戦。本人たちの自覚とスタッフのサポートもあって、1人の離脱者もなく戦ってきた日本高校選抜は、選手18人、スタッフの力を結集して最終戦で必ず勝利し、有終の美を飾る。

(取材・文 吉田太郎)
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第57回デュッセルドルフ国際ユースサッカー大会公式サイト(別サイトに移動します)

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