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[MOM2848]桐光学園MF神田洸樹(3年)_乾に憧れる“異質な”技巧派、2ゴールもたらす

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後半29分、3点目を決めた桐光学園高MF神田洸樹が左手を突き上げて喜ぶ

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[4.30 関東大会神奈川県予選準々決勝 桐光学園高 4-0 川崎市立橘高 横須賀リーフ]

 技巧派が良いアクセントになっていた。桐光学園高の右MF神田洸樹は前半37分、左サイドから縦に仕掛けて上げたクロスで相手のハンドを誘発。先制点に繋がるPKをもたらすと、後半29分にはFWラナイメアー祈安(3年)からの落としを左足で豪快に決めた。

 ボールを持つと足裏を使ったパスやドリブルも見せるテクニカルなアタッカー。「小中学校の時、足下が上手い選手が好きで、見ていて楽しくて。乾(貴士)選手とか好きでよく見ていて、(同じように)自分ができたら、見ている人も楽しいんじゃないかという思いでした」。この日は磨いてきたテクニックをストレスなく発揮し、目標のゴールに絡む仕事もしてのけた。

「自分の中では凄くスムーズに気持ちよくプレーできたと思います。ここ最近、結果を出せていなくて、自分で得点に絡もうという気持ちがあった。アシストでも良いから得点に絡みたいという気持ちであのハンドが生まれて。(得点シーンは)橘がちょっと落ちてきていたので狙い目かなと思って中に入って、祈安から良いボールが来たので冷静に決めることができました。得点に絡めて良かったです」

 Bチームにいた昨年、結果を目指し続けて選手権で登録メンバー入り。そして、今年は鈴木勝大監督が「良くないですか? だんだん評価が上がっている」と語るように、プレーで信頼を掴んでいる。

 憧れの乾については野洲高時代のプレーからチェックしているという。「ワールドカップとか見ていても決めれるし、味方も使えるし、自分のプレーも凄く出している。高校生の時のプレーも見たりしていたんですけれども、根本のところは当時とも変わっていないと思います」。シンプルなプレー技術力を発揮する選手が多い桐光学園の中でトリッキーな部分は“異質”に映るが、彼にはある程度自由も与えられているという。その中で神田は結果を求めながら、見ている人に「覚えてもらえるような選手に」なることを目指す。

 すでにC大阪でJ1デビューも果たしたFW西川潤主将(3年)からは、公式戦での活躍だけでなく、普段の練習からも大きな刺激を受けている。抜きん出た実力を持つ選手が誰よりも成長するために必死。だからこそ、負けないように努力し、C大阪に合流する彼が不在の期間は自分がチームに得点をもたらす意気込みだ。

「(西川を)目標にして追いついていけるように頑張っていきたいです。潤がいない中で自分が攻撃陣を引っ張っていけるように。最近周りを使ってやることを心がけているんですけれども、自分で一人二人抜いて打開していけるようなプレーをしたいですね。もっと行けるし、周りを使うことも大事ですけれども、周りをおとりにして自分でわがままにいってもいい」。課題の守備面で周囲との連係を高めてより攻撃力を発揮すること。そして、結果とインパクトのあるプレー両方を実現する。

(取材・文 吉田太郎)

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