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[関東大会予選]後半ATの歓喜と悲哀。日大藤沢が失点直後の劇的V弾で神奈川準決勝へ!

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後半アディッショナルタイム、CB青木駿人(4番)の決勝点を喜ぶ日大藤沢高イレブン

[4.30 関東大会神奈川県予選準々決勝 日大藤沢高 2-1 東海大相模高 横須賀リーフ]

 失意の被弾直後に意地の決勝点! 2019年度関東高校サッカー大会神奈川県予選準々決勝が30日に行われ、3年ぶりの優勝を狙う日大藤沢高が、後半アディショナルタイムにCB青木駿人主将(3年)の決めた決勝点によって前回王者・東海大相模高を2-1で破った。日大藤沢は、5月5日の準決勝で関東大会進出を懸けて三浦学苑高と戦う。

 全タイトル制覇を狙う日大藤沢が苦しみながらも、目標へ向けて前進した。ボールを保持しながら攻める日大藤沢に対し、東海大相模は守備時にしっかりとブロックを敷いて対応。プロも注目する“要注意人物”MF植村洋斗(3年)に対しては徹底マークしてきていた。

 前半は得点こそ奪えなかった日大藤沢だが、守備ではクリスマスツリー型の4-3-2-1による通称“トライアングルアクティブディフェンス”が効果を発揮。MF島田惇広(3年)とMF長嶋風太(3年)を軸としたポゼッションから斜めのパスを交えて打開を狙う東海大相模に中央突破させず、守り続ける。
 
 そして後半、日大藤沢はあえて大きく空けているハイサイドのスペースへ右SB岡田怜(3年)や左SB多田夢都(3年)らが次々と飛び出していく形でチャンスを作り出す。加えて注目MF植村が厳しいマークの中でも確実にDF1人を剥がして前進。わずかでもスペースが空いていれば潜り込むようにボールを運び、判断の速いパスでチャンスメークし続けていた。

 日大藤沢はFW鈴木燦次(2年)の右足ミドルがクロスバーを叩くなどなかなか1点を奪うことができなかったが、それでも後半21分、左中間のMF斉藤夏(2年)がゴールを背にした状態から背中越しのクロスボール。これをファーサイドのCB宮川歩己(2年)がポストギリギリの位置から頭で叩き込んで先制した。

 それでも、FW大野駿(3年)が再三距離のあるロングスローを投じるなど、ゴール前のシーンを作り出していた東海大相模は後半24分にPKを獲得。このPKを主将の島田が右足で狙うが、日大藤沢は「ビッグセーブで流れを変えるのが自分の取り柄だと思っているので、チームがどんなに悪い状況でもセーブで貢献できたら嬉しい。相手の選手(島田)がプレーも結構見てくる選手だと思ったので、PK先動いたら負けだなと思って、ずっと我慢してボール見て反応しました」というGK濱中英太郎(3年)が左へ跳んで完璧にストップする。

 雄叫びを上げた守護神中心に大喜びの日大藤沢イレブン。この後はカウンターから突き放すチャンスを作り出していた。それでも、2分が表示された後半アディショナルタイム2分、日大藤沢は勝利目前で失点してしまう。東海大相模は大野が右ロングスローをゴール中央まで飛ばす。これをCB峰田祐哉(2年)が競ると、こぼれ球をCB細野航(3年)が頭で押し込んだ。

 起死回生のゴールに東海大相模イレブンは大興奮。それでも、直後の攻撃で左CKを獲得した日大藤沢は、植村が右足でボールを蹴り込む。そしてゴール前にこぼれたところを青木が得意の左足で豪快に叩き込み、2-1。「前回の相模戦もラスト1プレーでCKから点を獲って2-1で勝っていて、ワンチャンあるなと思って飛び込んでいったら自分のところにこぼれてきて、あとは蹴り込むだけでした。(決めた後は)身体が勝手に応援席に行っていました」という青木ら日藤イレブンが応援席前で喜びを大爆発させた一方、東海大相模の選手たちは下を向き、顔を覆ってしゃがみ込む選手もいた。

 試合再開直後に終了の笛。佐藤輝勝監督が「やられたら、やり返す力がある」と評する今年の日大藤沢は、1年時に全国ルーキーリーグ交流大会で優勝している注目世代だ。1年時にインターハイ全国準Vを経験している植村をはじめ、半数以上が昨年のレギュラー。攻守にタレントの多いチームはプレシーズンから強さを示してきた一方、失点したあとに雰囲気が悪くなる課題もあった。

 だが、この日は1つ改善しての勝利。FW平田直輝(3年)やMF布方叶夢(3年)、注目の大器FW鈴木輪太朗イブラヒーム(2年)が怪我のために不在だったが、それでもセカンドチームが戦う県2部リーグでアピールして先発起用された鈴木燦やFW小林来生(3年)のように「K2(組)の方が頑張る」(佐藤監督)という力がエネルギッシュなプレーを見せるなど、日大藤沢の良さを表現するゲームでもあった。

 濱中は「自分たちは全国優勝ではなくて、全国制覇を掲げている。選手権だけじゃなくてインターハイ、関東大会でも全部タイトル取れるように。一つのタイトルだけじゃなくて全てのタイトルと、圧倒的な強さを持って全国を戦いたい」と語る。その目標へ向けて大きな1勝。特に神奈川県内では警戒される中での試合が続くが、それを乗り越えて勝ち続ける。

(取材・文 吉田太郎)

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