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“衝撃W杯デビュー”再現へ…ギリギリ選出MF中村敬斗「G大阪に入って良かった」の意味

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U-20日本代表MF中村敬斗(G大阪)

 U-17ワールドカップでは初戦でハットトリックを記録。世界にその名をアピールしたU-20日本代表MF中村敬斗(G大阪)が2度目の世界舞台に臨む。あれから2年間、決して順風満帆ではなかった。だからこそ、成長できた手応えもある。「ガンバ大阪に入って良かった」。今度はお世話になったクラブへの思いも背負って飛躍を果たす構えだ。

「入るか分からないところで入れたのは光栄。ギリギリで入れたのは承知の上」。2年前のU-17W杯では押しも押されぬ中心選手。しかし、ここまでの道のりは平坦ではなかった。所属先のG大阪では出場機会が少なく、U-20ワールドカップの選考では当落線上。MF久保建英、MF安部裕葵の不在によって選ばれたというのが現実的な見方だ。

 それでもやるべきことは続けてきた。「得点感覚が優れているのを買われていたが、それ以外はプロの平均以下。通用する部分はなかった。走れないし、戦えないし、球際行けないし、オフの意識も足りない」。G大阪では宮本恒靖監督のそうした指摘を受け、「J1から姿を消した」ところで改善に励んでいたという。

「(U-20W杯は)がっつり、本気で、諦めずに狙っていた。ポジションが空く可能性があると聞いていたし、スレスレを狙おうと思っていた」。そうして仕上げに入った結果が4月24日、ルヴァン杯グループリーグ第4節で決まったロングランからのダメ押しゴール。「そうして結果を残したおかげでここにいる」と今月上旬に招集リスト入りを掴み取った。

「ガンバに入って変わった。今年に入って初招集だったけど、走る面だったり、裏へのオフの部分が変わった。G大阪に入って良かった」。これまでを振り返った中村は「U-23の森下監督にも鍛えてもらった。本当に感謝しかない」と心境を吐露。高校2年生の自身を見初め、早期プロ入りに導いたクラブにも恩返しをしていくつもりだ。

 もっとも、ハードワークやデュエルの面だけで食っていくつもりはない。「守備とかそういうことをやっていくと、自分の一番大事な武器を忘れてしまう。それだとチームの一員になってしまう。左サイドから切り込んでいく形とか、ああいう形を作れれば」。プレーの幅を広げた19歳が、一回り大きくなった姿で再び世界に降臨する。

(取材・文 竹内達也)
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