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ユース取材ライター陣が推薦するインターハイ予選注目の11傑vol.4

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安藤氏が注目するFW西川潤(桐光学園高)

特集企画「ユース取材ライター陣が推薦する『インターハイ予選注目の11傑』」

 ゲキサカでは、熱戦展開中の令和元年度全国高校総体(インターハイ)「感動は無限大 南部九州総体2019」サッカー競技(沖縄)都道府県予選の注目選手を大特集。「インターハイ予選注目の11傑」と題し、ユース年代を主に取材するライター陣にインターハイ予選注目の11選手を紹介してもらいます。第4回は“ユース教授”ことサッカージャーナリストの安藤隆人氏による11名です。


安藤隆人氏「今年もインターハイ予選が各地で開幕した。今回もフォーメーションに当てはめて、「自分が監督ならこういう布陣をやってみたい」という考えでメンバーをセレクトしてみた。ただ、今回は、学年縛りなど設定をせずに、現時点で自分がベストと思える選手を選考。フォーメーションは4-1-2-3。攻撃力を前面に出したメンバー構成で、多彩で何重もの分厚い攻撃を仕掛けられるドリームチームに仕立ててみた」

西川   染野   渡邉
  武田    松村
     重見
石井 高橋  藤原 藤吉
     中川

以下、安藤氏が推薦する11人
GK中川真(徳島市立高3年)
「188cmの長身GKをセレクト。ハイボールの強さと反応の鋭さを見せる彼は、DFラインの裏のスペースもカバーできる。このポジションは帝京長岡高の猪越優惟と迷ったが、ここは中川をチョイスした」

DF藤吉玲依(北越高3年)
「右サイドバックとしてスピードはもちろん、高さも兼ね揃えていることが魅力。タイミングの良い仕掛けと、高さと強さを生かしたディフェンスで、ゴール前で勝負強さを発揮する渡邉と染野の能力を引き出してほしい。彼のクロスがこのチームの得点源の1つとなる。ここはスピード溢れる突破が魅力の畑大雅とかなり迷った」

DF藤原優大(青森山田高2年)
「DFリーダーとして彼にチームの守備を司ってもらいたい。空中戦の強さはもちろんのこと、2年生とは思えない落ち着き払ったラインコントロールとボール奪取能力、そしてビルドアップ能力が魅力で、前線のタレントたちを最終ラインから支えてくれるはずだ」

DF高橋祐翔(米子北高3年)
「188cmの高さと左足のキックを駆使し、攻守において存在感を放つCB。前線のタレントを操る長距離、中距離のフィードは一見の価値あり。線の細さはまだ否めないが、魅力的なポテンシャルを持った選手だ」

DF石井隼太(帝京高3年)
「高いアップダウン能力で攻守のトランジションに非凡なものを見せると、精度の高い左足から繰り出されるクロスで大きなチャンスを生み出す。このメンバーではFKを得意とする選手が多いが、ここは敢えて彼にプレースキッカーを任せたい」

MF重見柾斗(大分高3年)
「視野が広く、ボールキープ力と展開力に長けた彼にはアンカーの役割を担ってほしい。中盤の底で個性的なアタッカー陣の能力を、冷静な判断力とアップダウン力で支えることができれば、このチームは相当な前への推進力を発揮するだろう。このポジションには流通経済大柏の八木滉史と最後まで悩んだが、このラインナップの中でプレーする重見を見てみたいという願望も込めてセレクトした」

MF松村優太(静岡学園高3年)
「彼のドリブルは是非一度見てほしい。直線的なドリブルに見えるが、実はわずかなボールのずらしで、最短距離を高速で辿りながら相手を交わしていく。なかなかお目にかかれないドリブラーは、シャドーの位置からガンガン仕掛けてほしい」

MF武田英寿(青森山田高3年)
「彼の魅力は攻撃のハンドリング能力。シャドーの位置から精度の高い左足で正確なラストパスと強烈なミドルシュートを繰り出して、攻撃に厚みをもたらして欲しい。このポジションは谷内田哲平荒木遼太郎の2人と最後まで悩んだ。個人的には谷内田と松村の2シャドーは見てみたいが、3トップの噛み合わせを考えて武田をセレクトした」

FW西川潤(桐光学園高3年)
「説明不要の高校サッカー界きってのタレント。すでにC大阪でJデビューを果たし、今もポーランドでU-20W杯を戦っているハイスペックなアタッカー。ずば抜けた精度を誇る左足を生かしたドリブルからのシュートは一級品で、この突破力と決定力を左ワイドアタッカーとして発揮してほしい。渡邉や染野と頻繁にポジションチェンジをしながら崩していくアタックは相当な破壊力を生み出すだろう」

FW染野唯月(尚志高3年)
「西川同様に説明不要な脅威の決定力を誇るセンターフォワード。頭、左右両足から繰り出されるシュートの精度はずば抜けていて、ドリブルシュート、裏へ抜け出してのシュート、クロスからのシュートと、得点パターンは多岐に渡る。他にも中央で正確なポストプレーで両ワイド、ツーシャドーの突破力を引き出し、時にはサイドに流れて西川や渡邉のカットインを引き出したり、そのままサイドでボールを受けて自ら打開してチャンスも作ることも出来、攻撃の幅を大きく広げてくれる存在だ」

FW渡邉颯太(草津東高3年)
「右ワイドアタッカーとして縦への突破、カットイン、そしてクロスへの飛び込みと、彼の多彩なゴールアプローチを存分に発揮してほしい。他のアタッカーメンバーと比べて荒削りな部分はたくさんあるが、彼の持つ高いポテンシャルをこのメンバーなら引き出してくれると思い、彼をセレクトした」

FWは正直、いろんな組み合わせが浮かんだため、ここで追記したい。染野を右ワイドに置いて、センターフォワードに山田真夏斗(立正大淞南)を据えることや、右ワイドに森夢真(四日市中央工)を置くことも考えた。

執筆者紹介:安藤隆人
 日本列島、世界各国を放浪するサッカージャーナリスト。育成年代を精力的に取材する“ユース教授”。主な著書は『走り続ける才能たち 彼らと僕のサッカー人生』『壁を越えろ 走り続ける才能たち』(いずれも実業之日本社)、『高校サッカー聖地物語』(講談社)など

●【特設】高校総体2019

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