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何度でも這い上がる。4度目の挑戦となる17歳の小澤が日本代表入りを諦めない理由

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ドリブルをする小澤大介(右から2人目)

 脳に障害がある人の7人制サッカー、CPサッカーの強化指定選考会が25日、埼玉・西大宮スポーツパークではじまり、過去3年間は挑戦しながら落選してきた埼玉県内の高校3年生、17歳の小澤大介が「4度目の正直」に挑んだ。猛暑の中、ボールを追って献身的に走り回った。

「僕は右サイドを任されたのですが、行く必要もないときに左サイドに行ってしまってチームメートの方に怒られることもあったので、その辺りは気を付けたいです」

 生まれる前に脳出血が見つかり、右半身に麻痺が残るが、小学生の頃から健常者のチームでサッカーを続けてきた。小澤の祖母が、2017年当時、CPサッカーの日本代表だった高橋弘人選手の紹介記事を見つけたことで、競技をはじめ、高橋選手が卒業した高校が障がい者への理解も進んでいたことから、進学先として選んだ。  

 協会関係者によると「2、3度立て続けに(選考会に)落選したら、大抵の人があきらめます」。それでも小澤はあきらめる気配すらない。

「小学校のとき、中学生のときにサッカーを教えてくれた人が今でも応援してくれますし、父が小さい頃から今に至るまでパス練習に付き合ってくれます。そういった方々の思いに応えたいですし、父からも『やる以上はしっかり代表を目指せ』と言われています」

 この日グラウンドに照り付けた太陽のような小澤の熱い思いは、吉報となって返ってくるか。小澤は今日26日も、汗が出なくなるまで走り続けるだろう。

【強化指定選考会・参加選手】
GK瀬下秀樹(A・S UNITED.)
GK二宮一太(エスペランサ)
GK吉村洵紀(エスペランサ)
GK柳英行(CP KOBE)
GK志水遼(CP KOBE)
GK児玉良太(横浜 BAY FC)
FP小澤大介(A・S UNITED.)
FP植木叶(A・S UNITED.)
FP亀野大樹(A・S UNITED.)
FP田畑和郎(A・S UNITED.)
FP赤禿賢一郎(エスペランサ)
FP浦辰大(エスペランサ)
FP河野凌久(エスペランサ)
FP谷口泰成(エスペランサ)
FP花木一磨(エスペランサ)
FP浜田美弥妃(エスペランサ)
FP本中野雅(エスペランサ)
FP児玉誠弥(FCプログレッソ)
FP堀井友哉(大坂PAZ)
FP大沢翔太郎(P.C.F.A.SALTAR)
FP北山貫太(P.C.F.A.SALTAR)
FP久保善暉(P.C.F.A.SALTAR)
FP三浦良介(P.C.F.A.SALTAR)
FP大野僚久(横浜 BAY FC)
FP黒田翔(横浜 BAY FC)
FP戸田哲也(横浜 BAY FC)
【注】GKはゴールキーパー、FPはフィールドプレーヤー

(取材・文 林健太郎)

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