beacon
TOP > NEWS > 記事詳細

甘さのあった“ベースの部分”から改善。U-18日本代表候補がいわきFCに逆転勝ち!

このエントリーをはてなブックマークに追加

2本目39分、U-18日本代表候補はMF中村龍雅(相模原U-18)が右足で同点ゴール

[7.10 練習試合 U-18日本代表候補 3-1 いわきFC]
 
 世界で堂々の戦いを見せた先輩たちを「ベース」に、2年間で積み上げる――。01年生まれ以降の世代で構成されたU-18日本代表候補は福島合宿最終日の10日、東北社会人リーグ1部のいわきFCと練習試合(45分×3本)を行い、3-1で逆転勝ちした。

 1本目、4-4-2システムのU-18日本代表候補はGKが小畑裕馬(仙台ユース)で、右SB中村拓海(FC東京)、ゲーム主将のCB西尾隆矢(C大阪U-18)、CB山崎大地(順天堂大)、左SB植松建斗(市立船橋高)の4バック。武田英寿(青森山田高)と松本凪生(C大阪U-18)のダブルボランチで右SH鈴木唯人(市立船橋高)、左SH高田颯也(大宮U-18)、2トップは櫻川ソロモン(千葉U-18)と染野唯月(尚志高)がコンビを組んだ。

 立ち上がりは鈴木が「奪ったあとに結構速く攻めれていた」と振り返ったように、U-18代表候補は相手の守りの準備ができる前にアタック。高田が1対1を突破してからクロスに持ち込んだほか、染野のパスを受けた武田の左足ミドルが枠を捉えるなど流れよく試合を進める。

 だが、良い時間帯を続けることができなかった。鈴木が「(相手に)セットされたときに(選手同士の)距離が遠くなって、ボールが上手く回らなかった」と指摘していたが、パスを引っ掛けられて攻め返されるシーンが増加。加えて、U-18代表候補は3-4-3で戦う相手に対してファーストディフェンスの寄せが甘く、ゲームを停滞させてしまう。染野の右足シュートなどで先制点を目指したが、鈴木をMF小田裕太郎(神戸U-18)に代えたあとの34分、完全にサイドから崩されると、いわきFCのMF山下優人に先制点を奪われてしまった。

 U-18代表候補は松本のラストパスから櫻川がシュートまで持ち込むシーンもあったが、1本目は0-1で終了。U-18代表候補は2本目、9人を入れ替える。GKが相澤ピーター・コアミ(千葉)で、右SB吉馴空矢(C大阪U-18)、ゲーム主将のCB木村誠二(FC東京U-18)、CB井出敬大(柏U-18)、左SB遠藤海斗(東京Vユース)の4バック、岩本翔(筑波大)と松本のダブルボランチ、そして右SH小田、左SH鮎川峻(広島ユース)、そして藤尾翔太(C大阪U-18)と晴山岬(帝京長岡高)の2トップへスイッチした。

 甘さのあった1本目の反省から、影山雅永監督が檄。井出が「前からハメにいって動かしていって怖がらずにやらないと、南米のチームとかとやったりというところとで自分たちの弱さが出てしまう。頭からスイッチ入れようと話していた」と語ったように、意識して2本目に入った選手たちは守備から流れを掴む。そして、鮎川がクロスを上げきったり、岩本らが絡む形でチャンスを作り出す。16分に松本を武田へ、25分には小田を鈴木へ、そして30分には武田をMF中村龍雅(相模原U-18)、相澤をGK上田樹(金沢U-18)へ交代。カウンターから決定的なシーンも作られていたが、U-18代表候補もアグレッシブにゴールへ迫る動きでチームの推進力となっていた藤尾が武田や晴山、鮎川のラストパスからシュートを連発する。

 そして38分、左足を負傷した藤尾に代えて染野を投入したU-18代表候補は、その直後に同点ゴールを奪う。岩本が左CKを入れると、井出の頭をかすめたボールがファーサイドの中村龍の足元へ。これを中村龍が右足で叩き込んで1-1とした。さらに41分には、遠藤の右CKからゴールエリアに浮いたこぼれ球に助走をつけて飛び込んだ井出が豪快ヘッド。これがゴールを破って逆転した。

 岩本が「守備のところからガツガツ行けと言われていたので、守備からの攻撃を含めてその辺は良かったかなと思っています」と振り返る内容で逆転したU-18代表候補は、3本目をGK上田、右SB望月ヘンリー海輝(三菱養和SCユース)、CB林田魁斗(C大阪U-18)、CB井上樹(甲府U-18)、左SB根本健汰(鹿島ユース)の4バック、石浦大雅(東京Vユース)とゲーム主将の中村龍のダブルボランチ、右SH鵜木郁哉(柏U-18)、左SH熊澤和希(流通経済大)、そして栗原イブラヒムジュニア(三菱養和SCユース)と細谷真大(柏U-18)の2トップでスタートした。

 立ち上がりに栗原とのコンビから熊澤がポスト直撃の右足シュート。メンバーが大きく入れ替わったいわきFCを攻め立てるU-18代表候補は、上田をGK山田大樹(鹿島ユース)に入れ替えた直後の16分に3点目を奪う。

 鵜木の左CKから、シュートのこぼれ球に反応した林田がPA外側から右足ボレー。これがゴールネットに突き刺さった。U-18代表候補は鵜木が判断の良いプレッシングからボール奪取に絡み、影山監督が前日の巴戦からの変化を認めた望月が出足の良い守備。33分には熊澤と根本が絡んだ攻撃で左サイドを攻略し、栗原が決定的な一撃を見舞うシーンもあった。守備の部分も2本目終盤から継続して得点を許さず。3-1で勝ち、計4日間の合宿を終えた。

 今年5月、影山監督率いるU-20日本代表はU-20ワールドカップで世界相手に球際のコンタクト勝負、空中戦、ハードワークするなど“日本の不得手”とされていた部分でも対抗。影山監督はそれをベースにさらなるスピードや精度を加えていく考えだ。その根本としてチャレンジする姿勢を持つこと。だが、この日の1本目などは、指揮官が“(不甲斐なかったU-20ワールドカップの)エクアドル戦の前半”に例えた内容だった。前日に行った3チーム編成での30分×3本の巴戦がバチバチの攻防戦だったため疲労があったことも確か。だが、一人ひとりが後手になってしまったことで全体的に消極的な内容になり、“ベース”の部分を発揮できなかった。

 影山監督は「タガ外す部分。殻を破る部分というのを感じてもらって」と選手にリミッターを作るのではなく、チャレンジする姿勢を求めていく。今回の合宿中に変化した選手もいる。「核をなくすな。膨らませるんだ」と語る影山監督らコーチ陣の指導の下、ここで勝ち残るために必要なものを学んだ34選手が、チームに戻り、インターハイやクラブユース選手権などでどう変化するか。今後も積極的に新たな選手発掘が続けられていく模様。2年後のU-20ワールドカップで今年のベスト16を越えてさらに上に行くために、2年間、01年生まれ以降世代の才能たちが積み上げていく。

(取材・文 吉田太郎)

TOP