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158cm、50kgの“小さなMF”三戸が縦横無尽の動きでU-17日本代表の攻撃を活性化

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U-17日本代表MF三戸舜介(JFAアカデミー福島U-18)は攻撃を活性化した

[7.14 国際ユースin新潟第2節 U-17ボスニア・ヘルツェゴビナ代表 0-3 U-17日本代表 新発田市五十公野公園陸上競技場]

 登録身長158cm、体重50kgの小さなMFが、世界で戦うための術を体現している。「自分はちっちゃいので、ドリブルで剥がすよりも動きで剥がす方ができる」と言うU-17日本代表MF三戸舜介(JFAアカデミー福島U-18)は豊富な運動量と、相手の背後を取る感覚で勝負。前日のU-17メキシコ代表戦では抜け出しから決定的なシーンを再三演出し、後半開始からの出場となったU-17ボスニア・ヘルツェゴビナ代表戦もその質の高い動きでチャンスを作り出していた。

「感覚で『今だ』と思ったり、『ここだ』と思って走ると、(代表チームには)だいたい思ったところにパスも出してくれる人がいるし、合うので行けますね」。この日はまず得意とする左サイドでプレー。中寄りの位置でボールに絡んだ三戸は、PAへのタイミングの良い抜け出しでMF中野桂太(京都U-18)のループパスを引き出す。また、右サイドへ移ったあともPAへのスプリントからシュートを打ち込んだ。

 三戸は「(ボスニア・ヘルツェゴビナとは)15の時にフランスでやったことがあって、その時と似たような相手だったのでやりやすいところもあって、自分がまた流れ変えて試合を決めようかなと思っていました」と説明する。今大会はメキシコ戦含めて課題のシュートが決められず、得点することはできていない。だが、“小さなMF”は、今大会のU-17日本代表に動きをもたらす貴重な存在になっている。

 テクニカルなMFはU-17世代にも複数いるが、森山佳郎監督は彼らが世界で戦うために、個人技に加えて判断の部分を求める。その指揮官をして、「三戸なんてあんなにちっちゃいのに、相手に負けないように、縦横無尽に走っている」と言わしめる存在。三戸は自身の動きを理解してくれている仲間たちのサポートを受けながら、より多くのチャンスを作り出し、ゴールに繋げるつもりでいる。

 U-17ワールドカップまでの3か月半で取り組むのはやはり、シュート。「3か月間で自分の課題であるシュートを。(世界では)1点の重みが大事になると思うので、自分が決めて勝てるように、まずシュートのところはやっていきたいです」。チャンスの数を増やすだけでなく、それを決め切るだけの質を手に入れて、世界で日本に歓喜をもたらす。

(取材・文 吉田太郎)

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