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就任から3/6試合で無得点…東京V永井監督「スペースの支配がまだまだ」

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東京ヴェルディの永井秀樹監督

[8.18 J1第28節 東京V0-0山形 味スタ]

 東京ヴェルディはJ2第28節の山形戦、新体制発足後の6試合で3度目のノーゴールに終わった。永井秀樹監督は試合後会見で「少しずつ良くはなっている」とした一方で「ボールとスペースの両方を支配するという次のステージに立つためには、ボールの支配はまずまずだが、スペースの支配がまだまだ」と課題を語った。

 7月20日に行われたJ2第23節の愛媛戦で初采配を振るった永井監督は、ここまで通算2勝3分1敗という成績。スコアは○3-2、○1-0、△0-0、●0-4、△3-3、△0-0という経過をたどっており、大敗を喫した第26節の京都戦を除けば、打撃戦か緊迫戦という両極端な闘いぶりが目立つ。

 システムは4-3-3と3-4-2-1を併用しているが、その戦い方も特異なものだ。サイドを幅広く使いながら布陣を押し上げ、一方的にボールを握ることを志向するため、2人のセンターバック以外は全員が攻撃参加をすることも。指揮官はこうした狙いを「ポゼッションサッカーではなく、前に進むプログレッションサッカー」と表現する。

 もっとも、現状では「ポゼッションサッカー」にとどまっているという。これまでスコアレスドローに終わったのは2試合だが、いずれもボール支配率は約70%。この数字を結果に反映させるためには「相手のいないところを攻めるという大原則に基づき、どこに相手がいないのか、どこにボールを運ぶのかを突き詰めていく必要がある」と語った。

 この日は戦術の根幹とも言える「ワイドトップ」(4-3-3のウイングにあたるポジション)がオフサイドを連発し、うまく幅を作れなかった。また、5バックで割り切って守ってくる相手に対し、中央での有効な打開策も提示できず。それが「スペースの支配がまだまだ」という言葉に集約されていた。

 ユースを指揮していた時には公式戦を「良いサッカーを発表する場」と位置付け、選手たちには結果よりも内容を求めてきた。しかし、自身も選手として25年間過ごしたプロの世界は結果が命。「今までやってきたものと違うのは、良いサッカーをしているだけだと解任されてしまうこと」と言うように、自身のスタンスも変化させている。

 だからこそ「崩しの型は型どおりやっていく中で、さらに型を崩していける、超えていけるような型破りな選手が出てきてほしい」「いろんなポジションができるようになって、サッカー理解が上がってほしい」とプロとしての成長も促し続ける。「内容と結果と言う難しいものにトライしないといけないが、良いサッカーをしていないとその近道もない」。45歳まで現役生活を貫いた指揮官の求道はまだ始まったばかりだ。

(取材・文 竹内達也)
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