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青森山田MF古宿理久が横浜FC入り!2年時控えもライバルに負けじと努力続けた実力派ボランチがプロへ

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青森山田高MF古宿理久が憧れの横浜FCトップチームへ

 ライバルに負けじと努力続けたボランチ、プロ入りを勝ち取る――。20日、横浜FCは2020シーズンの新戦力として青森山田高(青森)MF古宿理久(3年)の加入内定が決まったことを発表した。

 古宿は今年、青森山田のボランチとしてプレミアリーグEASTの無敗首位に大きく貢献。自信を持っている瞬発力と豊富な運動量で相手の攻撃の芽を摘み、左右両足からの正確なキックや視野の広さで青森山田の攻撃をコントロールしてきた。

 今夏のインターハイでは前橋育英高、大津高との注目対決を連勝。3回戦敗退に終わったが、古宿はそのプレーを高く評価されて大会優秀選手に選出された。横浜FCの強化担当者からプレミアリーグやインターハイでのプレーをチェックされた古宿は、インターハイ後の3日間の練習参加を経て内定を獲得。全国的な知名度の向上はまだこれからかもしれないが、全国屈指のボランチはその力が“ホンモノ”であることを証明した。

 プロ入りを決めた古宿は、「(青森山田の黒田)監督や(ヘッドコーチの)正木さんからはずっと『プロになれ』と言われてきました。自分も小さな頃からの夢であるプロになるためにしっかり意識して試合に出ていましたし、誰よりも『やってやろう』という気持ちが強かったです。(高校卒業後の進路が)プロから始まるということで、今のままでは通用しないと分かっていますし、ここからどう高校生の時にレベルアップしてプロに繋げていけるかだと思っているので、足りないところを補っていく部分は努力と継続性を持ってやっていきたいです」と力を込めた。

 ライバルの存在が大きかった。古宿はタレント軍団・青森山田の中で2年時までは控え。一方で、同学年のMF武田英寿主将(3年)は2年時から主力として活躍し、昨年度の選手権では日本一の立て役者の一人として大会優秀選手にも名を連ねた。そして、今年は日本高校選抜、U-18日本代表に選出。6月には一早く浦和入り内定を決めている。彼へのライバル心が成長を後押しした。

「ヒデ(武田)は2年目から出ていて、結構プロのスカウトも早い段階から目をつけられていた。自分もヒデをライバル視していますし、良い意味で試合中は一番信頼できる選手ですし、プレーヤーとしてはライバルで切磋琢磨してやってきていると思うので、自分が伸びたのもヒデのお陰だと思います」

 注目エースに負けじと成長してきた古宿の努力を黒田剛監督も見逃さない。「アイツは日頃から本当に良く頑張っているから」。才能があったことは間違いないが、地元・神奈川を離れ、北の名門でなかなか結果が出なくても諦めずに努力を続けてきたからこそ掴んだプロ入りだった。

 横浜FCジュニアユース出身の古宿にとって横浜FCのトップチームは目標としてきた場所だ。「歴史のあるクラブですし、自分も地元愛が深いので、そこに憧れを持ってサッカーをやってきた部分もあるので、入れるというのは嬉しく思います」と笑顔を見せる。

 練習参加した際に予測力や瞬発力、ボール奪取の部分は通用したと感じたが、対人やヘディングの強さがまだまだ足りないと実感。また、練習参加した際には世界を知る偉大な先輩たちから刺激も受けたという。「存在感という部分では中村俊(輔)さんとか松井(大輔)さんとかベテランの選手は違いますし、カズ(三浦知良)さんの一言で雰囲気とか変わる部分があったので、自分もそういう人たちから吸収するものは吸収して、自分の成長に繋げていきたい」。青森山田での日々同様に貪欲に学びを続ける意気込みだ。

 横浜FCのサポーターに対しては「自分のキックだったり、ゲームを作るところを見て欲しいですし、あと運動量でチームに貢献するところを見て欲しいです」とコメント。自分を認めてもらい、より応援してもらうためにも、プロ入りまでの半年が大事だと考えている。

「プロになったということで頭の中でも今までの自分と変えないといけないですし、プロになってからがスタートではなくて、もう決まってからがスタートだと思っているので、(プロと自分との)この差をどう埋めるか。いち早く試合に出てチームに貢献したいという思いが強いですし、支えてくれた人たちへの恩返しという意味でも早く試合に出て恩返ししたいです」。今後は武田に続いて年代別日本代表に選出される可能性も十分。ここからの半年で、自身よりも先にプロ入りを決めたり、全国舞台で活躍してきたチーム内外のライバルを追い越すほど成長して、一日でも早く横浜FCでチャンスを掴む。

(取材・文 吉田太郎)

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