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選手権予選の前哨戦は三田学園が神戸弘陵に逆転勝ち!前線の守備意識が白星引き寄せる

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後半43分、三田学園高FW岩上直生が決勝ゴール

[10.5 プリンスリーグ関西第15節 三田学園高 2-1 神戸弘陵高 太陽が丘球技場B]

 三田学園が兵庫のライバルに逆転勝ち! 高円宮杯JFA U-18サッカープリンスリーグ2019関西は5日と6日に第15節を行い、三田学園高神戸弘陵高との兵庫県勢対決は三田学園が2-1で逆転勝ち。三田学園は残り3試合で6位、神戸弘陵は10位となっている。

 10月19日に開幕する選手権兵庫県予選決勝ラウンドでは、ともに勝ち上がると準々決勝で対戦する両校。選手権予選の前哨戦となった戦いは、インターハイ予選優勝校の三田学園が制した。

 序盤はスピードとボールキープで存在感を放つFW岩上直生(3年)、FW東慧(3年)、FW森山絢太(3年)の3トップのスピードを活かして攻める三田学園の入りが良かった印象だが、その後は怪我による長期離脱から先発復帰したMF田中魁人(2年)とMF松井治輝(2年)のダブルボランチが小さなスペースを見つけながら長短のパスを通し、グループで仕掛ける神戸弘陵がリズムを掴む。

 神戸弘陵はこの日、C大阪内定のU-18日本代表CB田平起也(3年、C大阪内定)や10番MF沖吉大夢(3年)、MF松野隼輝(2年)、FW松隈弘樹(1年)と主軸を欠いていたものの、DFラインが相手の背後へのボールに粘り強く対応。また攻撃面では相手のプレッシャーを巧みに外してサイドへボールを運ぶと、MF吉田翔貴(3年)がワンツーからPAへ切れ込むなどゴールに迫る。

 そして前半32分、神戸弘陵が先制点を奪う。連続攻撃から田中が左のMF谷晃希(3年)へはたくと、谷がマークを外してラストパス。これを左中間で受けた吉田がニアへ強烈な左足シュートを叩き込んだ。

 その後も決定機を作った神戸弘陵だが、三田学園GK指川大輝(3年)のビッグセーブに阻まれるなど追加点を奪うことができない。一方の三田学園は後半立ち上がりまで悪い流れが続いていたが、試合を通して高さを発揮し続けていたCB高川海亜(3年)らDF陣が踏ん張り、左SB横垣内健介(3年)の正確なキックや前線のスピードを活かした攻撃で反撃する。

 そして後半11分、三田学園は右中間を抜け出した森山が右足で同点ゴール。後半に運動量が落ちてセカンドボールが拾えなくなった神戸弘陵に対し、三田学園は福原幸明監督が「ウチよりも3トップが守備するチームは無いと思います」と太鼓判を押す3トップやトップ下の10番MF福岡南樹(3年)の運動量が差を生み出す。

 後半25分には森山の左クロスを岩上がニアで合わせたが、これは神戸弘陵GK大月耀平(2年)がビッグセーブ。三田学園は33分にもゴール前でチャンスを迎えたが、神戸弘陵のCB竹内悠力(3年)がこぼれ球に頭から飛び込む執念のクリアで勝ち越し点を許さない。

 互いに譲らずに試合は終盤へ。このままドロー決着かと思われた43分にスコアが動いた。神戸弘陵はDFラインの背後に流れたボールの対応が遅れてしまう。これに対し、福原監督から「今日は芝がいつもよりも深い。バックパス、横パスが止まる。そこを狙え」というアドバイスを受けていた三田学園FW岩上が一気に距離を詰めてGKからインターセプト。すかさず距離の長い右足シュートをゴールに流し込んで決勝点を奪った。

 岩上は勝因となった前線からの守備について、「前の4人が本当に守備の意識が高くて、全員がそこで獲ったろ、という意識がある。それは、これまでにはなかった泥臭さ。このチームの持ち味だと思います」と自信を見せる。

 この1勝は選手権予選へ向けても大きな勝利だ。高川は「ここで勝つか負けるかで次選手権で当たる時の印象も変わってくると思うし、ここで叩けたのも『今は俺らの方が上やぞ』と示せたから、気持ちの面でも自分たちが上から行けるかなと思います」と語り、「選手権にはまだ行っていないので、行って『ここから三田は強くなるぞ』というところを示したいです」と意気込んだ。注目DF田平が「選手権で絶対にてっぺんを」と意気込む神戸弘陵ももちろん、連敗するつもりは全くない。直接対決の勝者が兵庫の頂点に立つのか、それとも――。兵庫県の覇権争いに注目だ。

(取材・文 吉田太郎)
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