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明桜は惜敗も来年に繋がる1得点。注目の1年生MF内藤らが来年リベンジを目指す:秋田

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後半38分、明桜高のCB足利光嵐(4番)が追撃ゴール。チームは一気に勢いづいた

[10.24 選手権秋田県予選準決勝 秋田商高 2-1 明桜高 ソユスタ]

 明桜高の諦めない姿勢。それがドラマを起こしかけた。2点をリードされた明桜は後半13分に守備の柱・CB足利光嵐(3年)を前線へ上げて攻撃の圧力を強める。すると、風下からのロングボールが秋田商高DFの処理ミスを誘うなど、明桜に流れが傾いていく。

 後半14分、29分に迎えた決定機はいずれも活かしきれなかったが、38分、交代出場のMF荒井爽主将(3年)が右サイドで粘ってクロス。これをファーサイドの足利が右足ダイレクトでゴール右隅に突き刺した。

 さらに40分には右サイドを抜け出した足利のクロスからチャンスが生まれ、アディショナルタイム突入後の41分には右SB衛藤啓太(3年)の縦パスで小野湖孝(2年)が抜け出す。だが、プレッシャーを受けながら放った左足シュートはゴール左へ。試合には敗れたものの、原美彦監督がピッチサイドから声を掛け続ける中、諦めずに戦い抜いた明桜の粘りは見事だった。

 就任2年目の原監督は国見高のコーチや神戸U-18のコーチとして選手権優勝やプレミアリーグWEST優勝を経験。その指揮官は「(セットプレーからの連続失点や、決定機を逸したシーンがあるなど)まだまだ未熟なチーム。秋商さんの経験値は大きい。(明桜の)勝負強さはまだまだ。追求していかないといけない」と語った。

 ただし、チームは着実に力をつけてきている。昨年度は決勝で秋田商高に0-1で敗れて準優勝。この日は注目の1年生MF内藤蒼空が前半途中で負傷退場しながらも、名門校に食らいつき、1点をもぎ取った。チームとして一歩一歩前進していることは確かだ。原監督も「あの1点が来年に繋がれば良い」と期待していた。

 魅力的な選手もいる。神戸U-15出身の内藤はU-14Jリーグ選抜でキャプテンマークを巻いたこともある逸材。中盤でゲームを作ることも、前に出ていくこともできるMFは気持ちの強さも感じさせる選手で、交代するまでは両チームで一番目立つようなプレーをしていた。その内藤や前線でパワフルな動きを見せたFW斎藤光優(2年)、MF渡辺月斗(2年)らこの日の先発メンバー8人が1、2年生。原監督は「(次へ向けて)謙虚に試合を分析して、改善して、伸ばして行けるようにしたい」。来年、名門との差をさらに縮めて、トーナメント戦を勝ち抜くチームになる。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2019

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