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記念すべき参戦初ゴール。「新天地」で躍動するブラサカ日本代表・寺西の挑戦

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前線からボールを追う寺西一

[10.27 ブラサカ東日本リーグ第4節 パペレシアル品川 6-0 乃木坂ナイツ](スポーツシューレつくば)

 本職は「守備の男」が、パペレシアル品川の公式戦初ゴールを決めた。リーグ戦第2戦目の乃木坂ナイツ戦の後半5分、ゴール前に迫った寺西一が、混戦から右足のつま先をジャストミートさせて、先制弾。9月8日のリーグ戦初戦はfree bird mejirodai にスコアレスドロー。2戦目で奪ったゴールはクラブにとっても記念すべき第1号となった。

「後ろ(に選手)が来ているので1回下げてみようかなと思ったんですが、(目の前が)空いていたんで思い切っていってみました。たまたまです。他の人がとらせてくれました。気持ちよく勝ちたいなと思っていたのでよかったです」

 公式戦のゴールは2018年の日本選手権以来。日本代表では当たりの強い最終ラインとして佐々木ロベルト泉とレギュラーを争う存在。その佐々木がこの日は不在。ベストメンバーではない中、本職ではないトップ(FW)の位置で出場をし続ける寺西のゴールがチームに大きな勢いをもたらし、その後、川村の5連続ゴールにつながった。

 この8月に松戸・乃木坂ユナイテッドから移籍。しかもポジションも日本代表で求められる最終ラインの位置と真逆のポジションに挑んでいる。

「前のチームが2つに分かれる話が出ていたので、それが考える転機になりました。ずっと小島監督と怜くん(川村)と話していたんです。『新しいチームで新しいことしてみないか?』と。ポジションも前にいる『壁』ですよ。ボールを収めて、(後ろから来た選手に)落として、行けるときは自分で行く。でもやることを明確にしてもらっているからやりやすい。攻撃的なポジションでやっていることが代表で生きて来るかどうかはこれからです」

 昨年11月、国内で行った国際試合、アルゼンチン戦では1分も出場できず、悔しい思いをしたが、10月に3位に入ったアジア選手権では出場時間が増えて、この1年で確実に進歩の跡がうかがえる。

「経験値として増えていっていますが、今は、1回1回いかにいいパフォーマンスするかしか頭にないですね」

 新たなチームでの新たな挑戦。目の前のことを必死にやることで、寺西はおのずと自分の可能性を広げていく。


(取材・文 林健太郎)

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