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目標は全中に続く日本一。日章学園は冷静なプレー光るMF葭岡ら1年生も優勝に貢献

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日章学園高はMF葭岡遥来ら全国中学校優勝世代の1年生たちが奮闘

[11.4 選手権宮崎県予選決勝 日章学園高 3-0 宮崎日大高 宮崎県総合]

 期待のルーキーたちが、彼らにとって初となる選手権切符を勝ち取った。日章学園高は、いずれも日章学園中出身のMF葭岡遥来(1年)とMF藤本優希(1年)、そしてFW木脇蓮苑(1年)が先発出場。MF前田聖七(1年)も交代出場で優勝の瞬間を味わった。

 彼らは昨年の全国中学校大会決勝で青森山田中の連覇を4でストップ。日章学園中にとって11年ぶりとなる全国制覇を果たし、日章学園高に進学してきた。プリンスリーグ九州開幕戦でいきなり4人が先発するなど、期待の世代はチームのレベルを引き上げている。

 エースFW鈴木陽介(3年)は「一緒にFWで出ている木脇はセンスの塊なので、シュートセンスや相手を見てプレーするところとか学ぶところがある」と評していた。先輩選手たちにとっては、彼らに負けたくないという気持ちもあるだろうが、その力を認めていることも確か。この決勝では、特にボランチの葭岡の冷静なゲームコントロールが印象的だった。

 前半から1年生離れしたような落ち着きを披露。プレッシャーの中でも動じずにボールを動かし、サイドからの崩しにも絡んだ。前半16分には左CKのこぼれ球をしっかりとミートしての右足ボレー。ハーフタイムに早稲田一男監督から「もっとできる」と後押しされて迎えた後半は、「もうちょっとボールにかかわって、ゲームに入り込もうと思っていました」とボールに触る回数を増やしてチームにリズムをもたらした。

 コンビを組む大型MF中別府柊太(3年)のサポートも受けながら堂々のプレー。葭岡をチームの心臓部に起用している早稲田一男監督は、葭岡や身のこなし巧みな木脇や1年生たちの活躍について「タフでしょう?」と語り、と目を細めていた。

 葭岡はシーズン当初、高校生のプレッシャーの速さの前にボールを積極的に受けることができなかったという。だが、Jクラブユースや強豪校との戦いの中で自信をつけ、「今日も自信を持ってプレーできたと思います」と頷く。

 自分たちの代で全国制覇するという思いを強く持っている。「今年も勝ちたいですけれども、自分たちの代で全中優勝しているので、高校でもこの代で全国獲ったとなるようにしたい」と葭岡。声が出るようになった点など、同世代の1年生の変化も感じていたMFは「出ていない1年生にもこのプレーを教えたり、自分が引っ張っていけたらもっと強くなると思う」と語った。個人としては今後、川崎FのMF大島僚太のような選手になっていくことが目標。自分を磨きながら、「高校でも日本一」を目指す。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2019

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