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前橋育英注目の2年生ボランチMF櫻井辰徳、将来のためにも“死のブロック”で「結果を」

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前橋育英高の注目2年生MF櫻井辰徳

[11.24 選手権群馬県予選決勝 前橋育英高 1-0 健大高崎高 正田スタ]

 群馬王者・前橋育英高の注目MF櫻井辰徳(2年)が、“死のブロック”で存在感を示す。この日の群馬県予選決勝では中盤でゲームメークし、縦パス、プレースキックの精度などを披露。今夏ブレイクし、U-17日本代表候補に初選出されたボランチはショートコーナーからルーレットターンでDFを抜き去るなど足技も発揮してチャンスメークをした。攻守で奮闘して勝利に貢献。ただし、シュート数を十分に増やすことができず、試合を決めるような活躍をするまでは至らなかった。

 優勝したことは素直に喜んでいた櫻井だが、「ずっと言ってきているように、『自分が結果を残す』と言ってきているので、納得の行くゲームではないです」。夏のインターハイでは青森山田高との初戦で互角以上とも言えるような試合を演じたが、0-2で敗れ、櫻井はシュートゼロに終わっている。そこからシュート意識を増し、今大会を通じてシュートを打つ回数を増加。だが、「もっとバイタル(エリア)で(ボールを)受けられるようになっていかないといけない」とレベルアップを誓っていた。

 チームの攻撃面は進化したと感じている。「縦パスを入れてFWの2枚が仕掛けるところやサイドのコンビネーションなどバリエーションは増えてきている」。ここから全国へ向けてもっと崩しのアイディアを加えたり、工夫を重ねていく考え。得点数増加へ向けて「(自分自身も含めて)もっと積極的にみんなが仕掛けるのも大事なのかなと思います」と語っていた。

 全国大会1回戦の対戦相手は鹿児島県代表の神村学園高に決定済み。インターハイでは関東王者の國學院久我山高に逆転勝ちし、プレミアリーグ勢の尚志高を追い詰めている難敵だ。さらに2回戦ではインターハイ準優勝校の富山一高(富山)と注目MF山田真夏斗(3年)擁する立正大淞南高(島根)の勝者と対戦。そして3回戦では宿敵・青森山田とプリンスリーグ中国首位の米子北高(鳥取)の勝者と対戦する“死のブロック”を突破しなければ、目標の日本一に近づくことができない。

 それでも、櫻井はこのブロックについて「凄いなと。人が見に来るな、と」。そして「インハイも山田と戦った時に楽しめたので、また人が集まるブロックに入ったという部分では良かった。あのブロックで結果を残して、もっと(関係者に)目をつけてもらえれば」と期待した。

 櫻井は初招集された8月のU-17代表候補合宿でもゲームメーク能力の高さを発揮。左右両足から放つミドルシュートやゲームメーク力、高精度のプレースキックに注目のボランチだ。守備の部分の課題などがあり、U-17ワールドカップメンバー入りを逃したが、来年の主役候補の一人であることは間違いない。選手権の活躍次第では、将来の可能性もより広がるだけに「(強敵相手でも)自分の力を出して勝ちたい」という目標を実現する。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2019

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