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来季からのホーム・埼スタで掲げた高円宮杯。青森山田MF武田英寿主将「最高です」

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青森山田高の浦和内定MF武田英寿主将(右から3人目)が高円宮杯を掲げる

[12.15 プレミアリーグファイナル 青森山田高 3-2 名古屋U-18 埼玉]

 来季からのホームスタジアムとなる埼玉スタジアム2○○2で高円宮杯を掲げた。プレミアリーグファイナルを制した青森山田高のU-18日本代表MF武田英寿主将(3年)は、「最高です。嬉しかったです」と笑顔。浦和内定の注目レフティーは、“ホーム”で迎えた最高の瞬間を素直に喜んだ。

 この日、4-2-3-1システムのトップ下でプレーした武田は後方からのロングボールに競り、こぼれ球を引っ掛けて前進しようとしていた。前半44分にはGK佐藤史騎(3年)のロングキックを圧巻の1タッチコントロールでピタリと収め、PAわずか外側でFKを獲得。また左サイドを突破して決定的なクロスを入れるシーンもあった。

 攻撃力の高い名古屋U-18とのファイナル。我慢の戦いとなることは想定していた。10番は押し込まれる展開の中でスペースを狙い、カウンターから仕留めることを目指してプレー。相手のプレッシャーにも怯まず正確にボールを動かし、PAで上手さを見せて左足シュートを放ったシーンもあった。だが、今季プレミアリーグEASTで12得点を挙げている本人にとっては不満の無得点。「もっともっと相手のことを見て、ゴールを決めるところまで行けたらもっと良かった」と悔しさも滲ませていた。

 武田は今年、昨年度の選手権王者の主将、エースという立場で1年間を過ごしてきた。冬夏連覇が期待されたインターハイは3回戦で敗れ、その後のプレミアリーグEASTでは5試合白星から見放されている。彼自身もメンタル的にキツい時期を過ごしたが、11月にチームを離れ、U-18日本代表としてAFC U-19選手権予選に出場した頃から変化。重圧から解き放たれたことも影響したか好プレーを連発した武田は、その後の選手権予選、プレミアリーグEAST残り3試合とハイパフォーマンスを続けてきた。

 選手権予選を制し、プレミアリーグEASTでも優勝してこのファイナルを迎えた。この日は結果を残すことができなかったが、自ら「調子が良い」と分析するMFは随所で存在感ある動き。ここへ来て凄みが出てきているだけに、2週間後に開幕する選手権での活躍も大いに期待される。

 日本高校選抜の一員として臨んだ「NEXT GENERATION MATCH」は引き分けているものの、これで青森山田での埼スタ成績は3戦3勝となった。「来年からホームになるので、結果を残せられたら良かったんですけれども、チームの勝利に貢献することが少しできたのは良かったと思います」と微笑。全国高校選手権の準決勝、決勝は再び埼玉スタジアム2○○2での戦いになるだけに、“埼スタ負けなし”で浦和に加わる意気込みだ。

 武田は「(選手権の戦いで)一番はチームの勝利に貢献するために献身的にやることだったり、苦しい状況を自分がゴールで打開するところだったり、勝利に貢献するのが一番だと思います。選手権も優勝して2冠したいなと思います」と宣言。20年1月13日の選手権決勝ではこの日以上のプレーをして、再び勝って優勝旗を掲げる。

(取材・文 吉田太郎)
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