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インカレMVPは明治大3年生DF蓮川壮大「兄の分までプロになって活躍したい」

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MVPはDF蓮川壮大が獲得した

[12.22 インカレ決勝 明治大3-1(延長)桐蔭横浜大 浦和駒場] 

 インカレMVPは“意外性の男”が獲得した。主将FW佐藤亮(4年=FC東京U-18)がPKを決めて同点に追いついた直後の延長前半8分、FW小柏剛(3年=大宮ユース)のスルーパスに反応したDF蓮川壮大(3年=FC東京U-18)がエリア内に侵入。前に出たGK早坂勇希(2年=川崎F U-18)の脇を抜くシュートを蹴り込み、逆転弾を決めた。

 何でお前がそこに。チームメイトも苦笑いのDF蓮川のポジショニングだったが、蓮川自身は「(左MFの)森下さんが相手にマークされているので、森下さんが外を取ったら内に入るパターンを練習していた」と胸を張って堂々と回答。「森下さんの警戒が大きかったと思います」と笑みをこぼした。

 リーグ優勝を目前にした中での怪我だった。10月20日の専修大戦で蓮川は前半21分に負傷交代。右足首の負傷で離脱を余儀なくされた。11月24日のリーグ最終戦でようやくベンチ入りメンバーに復帰したが、出場は叶わず。インカレ初戦の2回戦の中京大戦も出番がなかったことから、準々決勝の筑波大戦が復帰戦となっていた。

 ただそこから決勝までの3試合はフル出場。決勝では120分を戦い切り、ヒーローにまでなった。怪我の影響については、「足首の痛みはある」と正直に認めるも、「最後のインカレというところで、アドレナリンを出して頑張りました」と威勢よく話した。

 兄のメンタルサポートにも感謝する。蓮川の兄、早稲田大のFW蓮川雄大は、プロ入りを目指すために今季は1年留年してシーズンに臨んでいた。度重なる怪我を乗り越えてアピールを続けていたが、今年6月に再び右膝靭帯を断裂して手術。FC東京U-18時代から有望視された逸材だったが、プロの道を断念せざるを得なくなった。

 今でも週に2、3回は会っているという仲良し兄弟。今大会中も無料通信アプリ『LINE』を通じて、頻繁に連絡を取り合っていたという。ただ普段はサッカーについて熱くメッセージをくれる兄から、この日の決勝前は「頑張って勝ってこい」という短い言葉が送られてきたのみだった。そのことで逆に気合が入ったようだ。

「兄はいつも支えてくれている。兄の分まで頑張りたいし、兄の分までプロになって活躍したいという思いがあります。来年またゼロからのスタートだと思うし、今年以上結果を残すのは難しい年になると思うけど、今年も最初にタイトルをすべて取ることを達成するぞと言った中で、達成できた。まずは東京都の天皇杯予選に向けてしっかりと準備していきたいです」

【表彰一覧】

■優勝
明治大学(10年ぶり3回目)

■準優勝
桐蔭横浜大学

■第3位
関西学院大学・中央大学

■最優秀選手(MVP)
明治大DF蓮川壮大(3年=FC東京U-18)

■ベストFW
明治大FW佐藤亮(4年=FC東京U-18)

■ベストMF
明治大MF安部柊斗(4年=FC東京U-18/FC東京内定)

■ベストDF
桐蔭横浜大DF眞鍋旭輝(4年=大津高/山口内定)

■ベストGK
桐蔭横浜大GK早坂勇希(2年=川崎F U-18)

■フェアプレー賞
該当校なし

(取材・文 児玉幸洋)
●第68回全日本大学選手権(インカレ)特集

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